研究課題/領域番号 |
20K15169
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
相馬 拓人 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (50868271)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 超伝導 / 強相関電子系 / 二次元物質 / 電気化学 / リチウムイオン電池 / エピタキシャル薄膜 / 量子臨界現象 / フラストレーション / 酸化物エレクトロニクス / 超伝導ドーム / 遷移金属酸化物 / 透明導電体 / Liイオン電池 / エピタキシャル成長 |
研究開始時の研究の概要 |
銅酸化物超伝導体(1987年ノーベル賞)の発見は物性研究に大きな展開をもたらした。類似物質の研究が爆発的に行われ,新研究領域すら生み出し現在の物性研究の大部分を占めるまでとなった。 しかし,LiNbO2という物質は類似する二次元超伝導面を持つのにも関わらずこれまで全く注目されてこなかった。 この点に着目し,高品質LiNbO2超伝導薄膜を駆使した独自測定システムによりNbO2超伝導面の全貌を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は,Li1-xNbO2という超伝導体が持つ二次元NbO2超伝導層が新たな特性や物理を提供してくれるのかを解明する研究である。 エピタキシャル薄膜を駆使した物性測定と薄膜電気化学反応を行うことにより,「本物質では理想的な強相関NbO2超伝導層が成り立っている」ことが証明され,「NbO2超伝導層が示す電子相の全貌を解明する」ことに成功した。 その結果,本物質の二次元NbO2超伝導層は,銅酸化物と類似した強相関シングルバンド構造を有し,層内のフラストレート磁性とそのゆらぎがCooper対形成に関わる新しい"強相関超伝導"の舞台となりうることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
銅酸化物高温超伝導体(1987年ノーベル物理学賞)の発見は基礎・応用両面から大きな発展をもたらし,同様な二次元超伝導層を持つ物質の研究が精力的に行われた。それらは様々な新しい研究領域を開拓し,物性研究の相当な部分を占めるまでとなった。 本研究成果は,Li1-xNbO2が持つ二次元NbO2層がそれらと類似した"強相関超伝導"を発現することを明らかにし,新しい強相関物性の発現やそのメカニズムを解明する新たな舞台となりうることを提示した。
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