研究課題/領域番号 |
20K15227
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平松 光太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60783561)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 蛍光エンコーディング / ラマン分光法 / 振動分光法 / 蛍光 / 一分子計測 / 高感度分光法 |
研究開始時の研究の概要 |
ラマン分光法は分子に光を照射するだけで分子振動スペクトルを取得できる優れた分析手法であるが,その信号強度は蛍光と比べ5桁以上低く,低濃度のサンプルの測定は困難である.短パルスレーザーを用いたコヒーレントラマン散乱を用いると信号強度を増強できるが,依然として1 mM - 100 μM程度が典型的な検出限界である.本研究提案では,ラマン活性な分子振動を時間領域で、蛍光を介して測定する手法の開発を行う.本手法では,測定できる分子は蛍光性分子に限られるが,nMレベルの感度での分子振動測定が可能になると期待される.
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研究成果の概要 |
時間領域でのラマン分光計測と蛍光エンコーディング法を融合することにより,Fluorescence-encoded time-domain coherent Raman spectroscopy (FLETCHERS)を開発し,低振動数領域(200-750 cm-1)での高感度ラマン分光計測を実現した.FLETCHERSでは,分子振動を超短パルス光で一斉に励起し,その時間発展を別の超短パルス光によって計測される蛍光の強度変化によって計測する.Rhodamine 800を測定対象としてFLETCHERSの原理検証実験を行い,濃度250 nMの溶液での振動スペクトル計測が可能であることを実証した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラマン分光法は化学分析やバイオイメージングにおける計測モダリティとして広く用いられている.ラマン分光は無標識に分子構造情報を得られる強力な手法である一方で,その感度の低さから応用範囲が限定されている.本研究で開発したFLETCHERSは蛍光分子の振動スペクトルを高感度に検出でき,バイオイメージングの多色化,材料中の欠損の評価,1分子レベルでの環境ゆらぎの検出などへの応用が期待される.
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