研究課題/領域番号 |
20K15244
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2021) 名古屋大学 (2020) |
研究代表者 |
横倉 聖也 北海道大学, 工学研究院, 助教 (40834742)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 有機誘電体 / 光電変換 / 有機エレクトロニクス / 電荷移動錯体 / 強誘電体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、有機材料の分極を光で変調し,高速光電変換への応用が期待できる光応答性誘電体を開拓する.有機誘電体は極めて高い電子分極能を持つ.このような分極を光によって変調,制御できれば分極変化に由来する電流(分極電流)が発生するため,高速応答性の光電変換へと応用が期待できる.光電変換素子への応用には,孤立分子の分極だけではなく結晶や薄膜状態での分極がより重要となるため,本研究では薄膜状態で光分極変調を起こす系を目指し.近赤外光に応答し分極が変調する分子,結晶を設計するとともに,配向制御の方法論を確立する.実際に得られた結晶や薄膜の基礎物性を測定して光分極変調可能な有機誘電体を開拓する.
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研究成果の概要 |
本研究では,金属M/絶縁体I/半導体S/絶縁体I/金属Mから構成されるMISIM型光電変換セルの光誘起分極電流を研究した.I層としてパリレンC,S層としてTMBとTCNQ誘導体からなる電荷移動錯体薄膜を用いた.電荷移動錯体薄膜の分子配向制御と光誘起分極電流の相関を明らかにした.電荷移動錯体の基底状態と光誘起分極電流の相関を明らかにした.イオン性錯体に比べ,中性錯体が1000倍もの光誘起分極電流を生じることを見出した.MISIM型セルが光応答に加え,外部電場印可により分極のメモリ効果を示すことを見出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,有機材料の分極に着目した電子デバイスを追究した.本デバイスの動作機構は従来のキャリア輸送を根源とする機構とは異なり,分極変化を起源とするため,低移動度である有機材料に適合した手法である.本研究により,分極駆動型の光電変換が実証され,次世代高速光電変換実現につながることが期待される.また,界面分極の安定化により分極ヒステリシスを誘起することに成功した.従来は結晶全体あるいは薄膜全体で分極をそろえるために特別な材料設計が必要だったが,本手法では界面の分極のみで駆動するため,多様な材料に応用可能である.
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