研究課題/領域番号 |
20K15256
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鶴巻 英治 東京工業大学, 理学院, 助教 (00772758)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | ルビセン / 多環式芳香族炭化水素 / 発光 / Scholl反応 / プロペラ形 / 量子化学計算 / アントラセン / 酸化的環化反応 / カップリング反応 / 近赤外蛍光 / らせん形分子 / ナノグラフェン / ヘリセン / プロペラキラリティ / ナノカーボン / 芳香族 / オリゴマー |
研究開始時の研究の概要 |
炭素原子の配列様式を組み替えた新しいナノグラフェンの合成を目指して、ルビセンを基本骨格に持つ新規多環式芳香族炭化水素の合成および構造と物性に関する研究を行う。9,10-ジアリールアントラセン類縁体に対する分子内酸化的環化反応(Scholl反応)によるルビセン合成法を応用することで、種々の新規ナノグラフェンを合成し、種々の分光測定および単結晶X線回折測定により、構造と電子状態を詳細に解析する。一般的に6員環のみで構成されるハニカム構造のナノカーボンに対し、5員環や7員環を部分的に組み込むことで、その構造や物性にどのような影響を与えるかを、量子化学計算も併用する事で考察する。
|
研究成果の概要 |
ルビセンを基本骨格とする新規多環式芳香族炭化水素の合成および構造と物性に関する研究を行った。フェニレンで架橋したアントラセン2, および3量体に対する酸化的環化反応により、直線状に複数のルビセンが縮合された構造を持つπ拡張ルビセンを合成した。また、1-ブロモアセアントリレン誘導体に対するPd触媒を用いるヘック型環状三量化反応により、C3対称にルビセンが縮合したプロペラ形分子を得た。それぞれ種々の測定および量子化学計算により、構造および性質を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ルビセンは古くから知られる赤色色素化合物であるが、その合成例が限られているため、関連研究は進んでいなかった。本研究により、ルビセン骨格を効率的に合成する手法が開拓され、ルビセンを基本骨格とする新規多環式芳香族化合物の合成研究が進められるようになった。本研究で新たに合成された新規π拡張ルビセン化合物の中には、中程度の効率で赤~近赤外発光を示すものや、プロペラ状に歪んだ特異的な構造を持つものが見つかっており、本研究の成果は、ルビセンを基本骨格とする新規有機電子材料の分子デザインに生かされると期待する。
|