研究課題/領域番号 |
20K15261
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
松尾 恭平 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (00778904)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 有機半導体 / 有機電界効果トランジスタ / リン / 典型元素 / ピリリウム塩 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで有機伝導体および有機半導体材料開発では、硫黄やセレンといった16族元素の導入による分子間相互作用の増大が大きな役割を果たしてきた。しかし、その本質的な効果は高周期元素に由来するものであるため、それ以外の元素を用いても効率的な電荷輸送を実現できるはずである。高周期元素として15族元素であるリンを組み込んだホスファアセン類を合成し、電荷輸送特性を評価することで、新たな高移動度有機半導体分子群の開拓を目指す。
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研究成果の概要 |
従来の硫黄原子を含むチエノアセンに代わる新たな有機半導体骨格として、リン原子を組み込んだホスファアセンの合成に取り組んだ。検討の結果、五環式のホスファアセンの合成に成功した。X線結晶構造解析の結果、骨格の平面性は高く、期待通り典型的なパイスタックによる密な積層構造をとることが明らかになり、有機半導体として働くことが予想された。またリンを炭素に置き換えた比較化合物よりも高い電子受容性を持つことが明らかになり、今後n型有機半導体の開発にも有望であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機電界効果トランジスタはフレキシブルディスプレイやウェアラブルデバイスなどを駆動する有機エレクトロニクス素子として欠かせないものであるが、実用化に向けては電子を輸送するn型半導体の電荷移動度の向上が課題となっている。本研究では、電荷移動度の向上に重要な高周期元素を導入しつつ電子受容性の高い骨格を構築する新しい方法として、従来の硫黄原子に代わりリン原子に着目した分子設計を提案した。
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