研究課題/領域番号 |
20K15271
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉田 泰志 千葉大学, 大学院工学研究院, 助教 (10773963)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 不斉触媒 / ハロゲン結合 / ブロモニウム塩 / 不斉合成 / ヨードニウム塩 / 有機分子触媒 / ルイス酸 |
研究開始時の研究の概要 |
ハロゲン結合は,有機化学において広く応用されている水素結合に置き換わる可能性のある新しい相互作用として近年注目されており,ハロゲン結合を有機触媒へ応用する例が見出されつつあるものの,その例は限られている。ハロニウム塩の中で研究例の多いヨードニウム塩と比べて,ブロモニウム塩は中心原子の比較的小さい原子半径,高い電気陰性度等の特徴がある。申請者はブロモニウム塩が持つそれらの特徴に着目し, 1.ハロゲン結合触媒としての新規キラルブロモニウム塩の開発と不斉反応への応用 2.ハロニウム塩触媒特有の新規不斉反応開発 の2テーマに関して研究を行うことにより,ハロゲン結合を駆動力とする不斉触媒と新規反応を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では超原子価臭素化合物であるブロモニウム塩を,ハロゲン結合触媒として利用できることを世界で初めて発見した。キラルブロモニウム塩を開発し,vinylogous-Mannich反応へ触媒として適用することで,生成物を最高96% eeで得ることに成功した。種々のキラルハロニウム塩を開発し,その中でもキラルヨードニウム塩が嵩高いチオールのイミンへの不斉付加反応において高いパフォーマンスを示すことを見出し,生成物を高い立体選択性で得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医薬品分子の中には光学活性体として用いられているものも多く,それ故,キラル分子の触媒的不斉合成は重要である。不斉触媒として従来盛んに研究されてきた水素結合を駆動力とする分子に対し,ハロゲン原子が形成可能な「ハロゲン結合」を有する触媒が特異な反応性を示すことが近年見出されているものの,その不斉触媒分野における例は限られていた。本研究ではこれまでに例のない,超原子価臭素化合物であるブロモニウム塩のハロゲン結合触媒としての応用により,従来困難であったキラルハロゲン結合触媒を用いる生成物への高度な不斉導入を達成した。
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