研究課題/領域番号 |
20K15328
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
下山 祥弘 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (70859082)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | コアシェル構造 / PFOA代替基質 / テトラフルオロホウ酸イオン / パラジウム / セリウム / 逐次含浸法 / エンジニアリングプラスチック / ポリフェニレンオキサイド / 酸化的解重合 / ケミカルリサイクル / アニオン性白金(0)錯体 / 嫌気下XPS測定 / イリジウム-ニッケル / 過酸化水素 / 窒化グラフェン / 速度論的解析 / 反応機構 / コバルト / ヘテロポリ酸触媒 / イリジウム-銅 / 水中 / 理論計算 / 酸化的フッ素転移反応 / 難分解性有機フッ素化合物 / フッ素循環 / 触媒反応 / 希土類金属元素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、種々の希土類金属および遷移金属を担持した新規不均一系酸化触媒を開発し、温和な条件における環境残留性の高いパーフルオロアルキル化合物の高効率な酸化的分解反応を行う。さらに、本反応系に別の有機基質を共存させ、有機基質への酸化的なフッ素導入反応を同時に行うタンデム型の触媒的酸化反応系を見出す。これにより、パーフルオロアルキル化合物をフッ素源とする有機基質のフッ素化反応系を構築し、酸化的フッ素転移反応の創出を目指す。
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研究成果の概要 |
パラジウムおよびセリウム酸化物を逐次含浸法により担持したSiO2を触媒として調製した。TEM測定では、Pdを核、CeOxを殻とするコアシェル構造がSiO2上に形成されていた。過硫酸塩存在下のPFOA代替基質の分解反応を行い、BF4がB(OH)3から触媒的に生成することを確認し、分解によるフッ化物イオンの生成が見出された。また、過酸化水素を酸化剤とするペンタフルオロフェニルスルホン酸塩の触媒的酸化を行い、転換率や、フッ素化合物のの収率を求めた。その結果、セリウムを除き、添加した希土類の元素番号が大きくなるにつれ、基質の転換率やテトラフルオロホウ酸イオンの収率が向上する傾向が見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パーフルオロアルキルスルホン酸(PFAS)等は、その安定性に基づき、環境中で分解を受けずに半永久的に堆積する。PFASは通例の分解処理法では厳しい条件を必要とし、分解が進行しても有害なフッ化物イオンが生成し、環境・人体に対して依然として重篤な悪影響をもたらしうる。そこで希土類金属や貴金属の特異な反応性を利用することで、より温和な条件で分解することが可能になり、また生成するフッ化物イオンを他の化合物に付加させることで、有害物から有価物への変換をワンポットで行うことができる。セリウムは希土類元素の中でも安価なため、大スケール反応への展開も見据えることが可能である。
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