研究課題/領域番号 |
20K15357
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 和歌山工業高等専門学校 (2021-2022) 山陽小野田市立山口東京理科大学 (2020) |
研究代表者 |
舟浴 佑典 和歌山工業高等専門学校, 生物応用化学科, 助教 (20734312)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | イオン液体 / スピロピラン / フォトクロミズム / 光応答性 / プロトン移動 / 熱物性 / 結晶構造 / 結晶内空間 / ジアリールエテン / 液体材料 / 価数変化 |
研究開始時の研究の概要 |
光に応答して構造変化を示すフォトクロミック分子やイオン対を液状化することで、融点・粘度・極性・相溶性といった性質が光で大幅に変化するフォトスイッチング液体材料を開拓し、液化により得られる新機能物性を創出する。以下の3項目を目標に掲げる。 (1) 異性化機構の異なる光応答性分子を普遍的に液化する手法を確立する。 (2) 熱、圧力、溶媒など外場応答性の拡張を実現し、液化により得られる新機能物性を探索する。 (3) スイッチングを利用した物質輸送・反応の制御を実現し、材料化学へと展開する。 以上を通じて、光応答性を有する新規液体材料の実現手法と機能開拓を推進する。
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研究成果の概要 |
光応答性分子であるスピロピランやジアリールエテンを用いたフォトクロミックイオン液体群を開拓した。イミダゾリウム基を有するスピロピラン塩やジアリールエテン塩、光酸発生型スピロピランと有機超強塩基の組み合わせからなる塩を複数設計し、得られた室温イオン液体の熱物性と光応答性を評価した。結晶として得られた高融点の塩について、化学的格子圧力や物理的静水圧により結晶内空間を制御し、固相異性化挙動との相関を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フォトクロミック分子骨格を有するイオン液体はこれまで内外で盛んに研究されてきたが、静電相互作用変化を伴った光異性化を示す本系は原理が大きく異なる。したがって、光による多彩な液体物性の変化が期待される。本課題で新しく発見した光酸発生型スピロピラン系イオン液体は、イオン液体の機能化を従来の疎水性イオン液体だけでなく、プロトン性イオン液体にも拡張できる可能性を有している。このような液体は、多彩な物性研究の新対象となるだけでなく、機能溶媒用途といった応用展開にもつながる。
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