研究課題/領域番号 |
20K15395
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河村 玄気 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (10852791)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 発光 / ルシフェラーゼ / RNA / Cas13 / スプライシング / 転写量 / 発光タンパク質 / RNA認識 / 転写物 / 遺伝子工学 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代シーケンスによる大規模な転写物解析は、様々な動態を持つ転写物の同定を可能にした。今後は同定された転写物に対してより詳細な動態解析が必要となる。しかし既存の手法には、転写物量変動に対して時間分解能が十分でない、という課題がある。本研究では転写物を認識するタンパク質と発光タンパク質ルシフェラーゼを組み合わせることで高時間分解能な転写物量の分析手法の開発を目指す。開発する手法では認識する転写物は20残基程度の短いRNAにより変更可能であり、様々な種類の転写物に応用することができる。これら特性は未知の転写制御現象の解明へ寄与することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、新たな原理により任意の転写物の細胞内存在量を発光により検出するプローブの開発を試みた。そのため、RNA切断酵素Cas13およびルシフェラーゼを用い、転写物認識に伴う構造変化をルシフェラーゼの発光能変化へと変換するプローブを構築した。構築したプローブを発現した細胞に対し転写物量に摂動を加えたところ、プローブの発光値に変化が見られた。さらに、このプローブの特性を活かしてスプライシング変異体選択的な転写物量変化の検出を試みた。結果、スプライシング産物量の割合を人為的に摂動した場合に発光量変化が生じた。これらの結果は、開発したプローブが転写物選択的な検出を可能にすることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、既存の手法とは異なる原理に基づいて細胞内転写物量の経時変化を測定する技術を開発した。近年では次世代シーケンスなどによる大規模な転写物関連のデータが蓄積されており、特定の転写物の時空間的動態を調べるニーズが高まっている。開発したプローブは比較的容易に標的転写物を変更できること、また、実際の転写物量変化に対する時間的な遅延が小さいこと、などの特徴を持つ。これらの特徴は様々な転写物の動態を解析する際に有益であるため、転写物の動態解析において新たな選択肢となる技術として確立することが期待される。
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