研究課題/領域番号 |
20K15426
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
赤松 明 関西学院大学, 生命環境学部, 助教 (10802225)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 根粒菌 / ミヤコグサ / 細胞膜脂質 / フォスファチジルイノシトール / オートレギュレーション / AON / NIN / 根粒共生 / 感染糸 / 感染抑制 / 膜脂質 / 共生 |
研究開始時の研究の概要 |
マメ科植物にとって窒素固定細菌・根粒菌との相利共生は、窒素源を得るための重要な手段である。しかし過剰な根粒菌の感染は、相利共生のバランスを崩し植物の生育不良を招く。そのためマメ科植物は、過剰な根粒菌感染を抑制し共生のバランスを維持する能力を有している。本研究では、マメ科植物が過剰な根粒菌の感染を細胞表面においてどのようにして拒み、バランスを維持しているのかを分子レベルで解明することを目指している。これまでの研究から、細胞膜脂質の輸送、そして局在に関与することが示唆される二つの遺伝子の新規変異体を見出しており、それらを使用した解析から、根粒菌感染抑制機構と細胞膜脂質の関係を紐解いていく。
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研究成果の概要 |
本研究では、マメ科植物のミヤコグサ(Lotus japonicus)と窒素固定細菌である根粒菌との共生において、ミヤコグサが細胞膜脂質の一つであるフォスファチジルイノシトールリン酸(PIP)の量を変動させることで根粒菌の感染を制御していることを明らかにした。さらに、このPIPの量の変動を担う遺伝子としてPITP-like protein (PLP)およびPhosphatidylinositol (PI) kinaseの2つを同定した。これらの遺伝子は、根粒菌感染依存的に発現量を高め、表皮細胞などで機能することで、PIPの動態を操作しており、共生のバランスを維持するために重要であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で明らかとなったPIPによる根粒菌の感染制御は、これまで病原菌感染時に報告されてきたPIPの動態とは異なる可能性があり、マメ科植物が根粒菌との間で築いてきた特異的な応答の可能性もある。これらをより詳細に明らかにすることができれば、マメ科植物が進化の過程でどのようにして根粒菌との共生を獲得してきたかという大きな問いに迫ることができる。そして、それらによって根粒共生をはじめとする微生物を利用したこれからの農業に対して大きく貢献できると考えている。
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