研究課題/領域番号 |
20K15429
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片山 琢也 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (70792191)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 糸状菌 / 細胞融合 / 麹菌 / Aspergillus oryzae / 転写制御 / Aspergilus oryzae |
研究開始時の研究の概要 |
糸状菌の細胞融合制御機構はアカパンカビNeurospora crassaにおいて詳細な研究がなされている。しかし、我々のこれまでの解析により麹菌Aspergillus oryzaeではその機構が異なることが示唆され、糸状菌の細胞融合制御機構は種によって異なる可能性が考えられた。さらに全く未知の経路によっても細胞融合が制御される可能性が示された。本研究ではこれらの細胞融合制御機構の解明を目的としており、本研究での解析から糸状菌における細胞融合制御機構の共通性、多様性が明らかになることが期待される。
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研究成果の概要 |
糸状菌(カビ)と酵母は同じ菌類に属するが、その制御機構には相違があると考えられる。我々は糸状菌の一種である麹菌Aspergillus oryzaeにおいて、糸状菌特異的な新規タンパク質FsiAを同定し、これが転写因子であるAoSte12を介して細胞融合を転写レベルで制御することを示唆していた。 本研究における解析により、AoSte12以外にA. oryzaeの細胞融合を制御する転写因子が存在する可能性が考えられた。さらに未知の細胞融合に関わる転写因子のスクリーニングから複数の候補因子を同定した。これらは糸状菌特有の細胞融合メカニズムを解明する上で重要な知見である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糸状菌の細胞融合の研究はアカパンカビNeurospora crassaを中心に行われてきた。本研究から考えられた新たな細胞融合制御機構はN. crassaにおいて提唱されているモデルとは異なり、糸状菌のなかでも細胞融合制御機構に相違があることを示唆している。また、本研究で同定した細胞融合に関わる転写因子は酵母には保存されておらず、糸状菌と酵母の細胞融合の違いを明らかにする上で重要な知見となりうる。 また細胞融合は個体間での交配には必須な過程であるが、麹菌A. oryzaeでは困難である。そのため、本解析のさらなる進展によりA. oryzaeの交配育種の実現につながることが期待される。
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