研究課題/領域番号 |
20K15436
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
阪本 鷹行 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 講師 (90740332)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 水酸化脂肪酸 / Fusarium / 脂肪酸水和酵素 / 脂質代謝 / 10-ヒドロキシオクタデセン酸 / Ohy / Fusarium属 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、Fusarium属菌において、ポリマー原料となる10-ヒドロキシオクタデセン酸 (HYA) の生産能が報告された。しかし、HYA合成における詳細なメカニズムや生理学的な意味は明らかになっておらず、高生産株の育種に向けて問題となっている。本研究では、Fusarium属菌についてHYA生産機構調節遺伝子の探索、HYA合成酵素の細胞内局在および生理機能の解析、そしてHYA代謝物の解析を行うことで、一連のHYA合成メカニズムの解明を試みる。
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研究成果の概要 |
水酸化脂肪酸(HFA)は石油代替ポリマーの原料として注目されているが、自然界では希少であるため、効率的なHFA生産法が希求されている。本研究では、糸状菌Fusarium属について、真菌で初めて嫌気的な脂質代謝反応によるHFA合成機構を見出した。また、HFA合成に関与する脂肪酸水和酵素を特定し、そのユニークな基質特異性を明らかにした。さらに、生産後のHFA代謝経路について、一般的な脂質β酸化を受けた後に香気成分であるラクトンへと変換されることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
石油代替資源として注目される水酸化脂肪酸(HFA)は総じて細胞毒性が高く、これまで微生物による発酵生産は困難であった。しかし、本研究で見出したFusarium属糸状菌はHFA耐性および蓄積能に優れており、HFA発酵生産における有用な育種対象であることが示された。また、Fusarium内在性のHFA合成酵素を特定したこととHFA代謝経路を推定したことで、今後の育種標的としてHFA高生産株構築が期待できる。さらに、真菌における嫌気的な脂質代謝メカニズムの報告は初めてであり、学術的な貢献度も高いと考えられる。
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