研究課題/領域番号 |
20K15467
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
板倉 正典 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (70803162)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | タンパク質修飾 / ヒストン / ビタミンC / ポリフェノール / 食品成分 / 抗炎症 / 敗血症 |
研究開始時の研究の概要 |
ビタミンCやポリフェノール類などの抗酸化性食品成分による生体防御作用はよく知られているが、その作用機構には未だ不明な点が多く残されている。申請者はこれまでにタンパク質やアミノ酸が抗酸化性食品成分による修飾を受けることで、ヒストンへの結合能を獲得することを明らかにしている。本研究では、食品成分修飾体(タンパク質もしくはアミノ酸)と核外ヒストンの結合を介した炎症応答制御および生体防御作用を検討することで、食品成分の新たな活性発現機構の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は、様々な疾病に対し生体防御的に働くとされるが、その作用機序が明確ではないビタミンCやポリフェノール類などの抗酸化性食品成分を対象として、タンパク質修飾を介した機能性に着目した解析を実施した。その結果、抗酸化性食品成分によって修飾を受けたタンパク質が(1)プラスミノーゲン受容体として細胞膜上に発現するヒストンH2Bに結合することで、プラスミノーゲンの活性化を抑制し抗炎症作用を示すこと、(2)ヒストンと結合し凝集体を形成することで、ヒストン誘発性細胞傷害を軽減することが明らかとなった。以上の結果より、抗酸化性食品成分によるタンパク質修飾を介した新たな機能性発現機構の存在が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ビタミンCやポリフェノールなどの抗酸化性食品成分は明確な健康機能性を示す一方で、易代謝性の特徴を持つものが多く、抗酸化性などの既知の作用機序だけでは機能性を十分に説明することは難しい。本研究では、「食品によるタンパク質修飾を介した機能性」という、これまでに報告されているメカニズムとは全く異なった食品の機能性発現機構を証明するに至った。本研究成果は、「食の機能性」にさらなる科学的根拠を与えただけでなく、疾病や老化に対する新たな予防法開発につながる可能性があり、学術的・社会的意義のあるものだと考えられる。
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