研究課題/領域番号 |
20K15472
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
本間 太郎 帝京大学, 薬学部, 講師 (30707930)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 共役脂肪酸 / がん / 脂肪酸 / 癌 |
研究開始時の研究の概要 |
癌予防が期待される食品成分の一つとして、「共役脂肪酸」が挙げられる。これまでの研究により、ある特定の海藻から得られた酵素液を使用することで、共役脂肪酸を合成できる可能性を見出している。本研究では、当該酵素により共役脂肪酸を合成し、殺癌細胞効果を検証する他、作用メカニズムも併せて明らかにすることを目的とする。また、当該酵素を高純度に精製し、実用化の足がかりとすることを目指す。
|
研究成果の概要 |
共役脂肪酸は、がん細胞に対して細胞毒性を持つことが報告されている。本研究において、共役脂肪酸を含む海藻類をスクリーニングした結果、褐藻ウミウチワ(Padina arborescens Holmes)において、共役脂肪酸を含有していることが示唆された。そこで、褐藻ウミウチワから粗酵素液を抽出し、α-リノレン酸を基質として添加したところ、共役テトラエン型脂肪酸であるパリナリン酸を合成することに成功した。さらに、細胞実験により、パリナリン酸が殺がん細胞効果を有することも確認できた。以上より、褐藻ウミウチワの酵素を使用して、殺がん細胞効果を持つ共役脂肪酸を合成できることを明らかとした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、褐藻ウミウチワ由来酵素を使用して、一般的に食用油として用いられている多価不飽和脂肪酸から、殺がん細胞効果を持つ共役脂肪酸を合成できることを明らかとした。将来的に、当該酵素を人工的に合成することに成功すれば、共役脂肪酸を大量生産することも可能となる。日本は超高齢社会にあり、がんによる死亡者数は増加の一途を辿っている。今後、共役脂肪酸の安全性評価に関するデータが蓄積すれば、がん予防効果を持つ成分として、共役脂肪酸をサプリメント等として利用することも可能になると考えられる。
|