研究課題/領域番号 |
20K15473
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
小高 愛未 東京農業大学, 応用生物科学部, 研究員 (60845890)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | スルフォラファン / SREBP / 脂質合成 / 骨格筋 / サルコペニア肥満 / 肝臓 |
研究開始時の研究の概要 |
生活習慣病の原因の一つに脂質代謝異常が挙げられる。加えて近年、肥満と筋委縮が合併したサルコペニア肥満が問題視されている。食品成分スルフォラファン(SFaN)は、Keap1-Nrf2経路を介してがんや糖尿病予防に効果があることが報告されているが、私達はSFaNが転写因子SREBPを抑制することを報告している。本研究ではSFaNが、肝臓においてSREBPを介して脂質合成を抑制するメカニズムと、骨格筋との繋がりが明らかになってきたKeap1-Nrf2経路を介して骨格筋の機能を改善する可能性を検討する。特有の2通りの作用機序を持つSFaNの機能を解明することで、サルコペニア肥満の予防・改善を目指す。
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研究成果の概要 |
食品由来成分スルフォラファン(SFaN)が、脂質合成において中心的な役割を担っている転写因子SREBPの活性を低下させ脂質合成を抑制することを示した。SFaNは、前駆体SREBPのC末端側のポリユビキチン化を促進し、ユビキチン-プロテアソーム系を介して前駆体SREBPタンパク質を分解すること、その分解にはKeap1-Nrf2経路を介さないことを明らかにした。これらの成果により、SFaNの肝臓における脂質合成の新たなメカニズムを明らかにした。一方、SFaNは筋芽細胞において、筋分化を阻害することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、抗酸化作用や抗肥満効果が知られるSFaNの、これまでの報告とは異なる、新しい作用機序が示されたことで、生活習慣病予防に関して科学的エビデンスに基づく新たな機能性食品の開発へ応用されることが期待される。また、最近、SFaNの筋萎縮抑制や筋力維持への効果がわずかに報告されてきているが、今回明らかになったSFaNの筋分化抑制効果は、サルコペニア予防へのアプローチとしての筋分化促進と筋萎縮抑制の違いに着目するきっかけとなった。今回の脂質合成抑制の解析に加えて、今後、SFaNの骨格筋への効果の解析を進めることで、サルコペニア肥満予防及び健康寿命延伸の一歩となることが期待できる。
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