研究課題
若手研究
申請者は、緑茶摂取による腸細菌叢への影響をマウスを用いて調査し、Flavonifractor plautii(FP)株が腸内で有意に増加することを発見した。FP株をはじめ、多くの腸細菌の生体調節機能は未解明な部分が多い。そこで、 FP株の生体調節機能を調べるため、卵白アルブミン感作で作出したアレルギーモデルマウスにFP株を経口投与したところ、アレルギー応答が抑制されることを発見した。本研究では、腸上皮の抗原取り込み細胞「M細胞」からの微生物の取り込みが免疫応答を制御するという観察に基づき、腸細菌FP株のアレルギー軽減メカニズムの解明を試みる。
腸細菌Flavonifractor Plautii(FP)のアレルギー免疫応答抑制メカニズムについて研究を行った。FPはカテキンの代謝に関わる細菌であり、ヒト腸内にも確認されている。FPをはじめ、多くの腸細菌の生体調節機能はほとんど解明されていない。そこでFPの生体調節機能を調べるため、卵白アルブミン感作で作出したアレルギーモデルマウスにFPを経口投与すると、アレルギー応答が抑制されることを発見した。最終年度にはアレルギー応答の抑制に関わる2種の腸細菌としてEnterococcaceae科細菌とStreptococcaceae科細菌を見出した。
一般的な食物アレルギーの治療として、アレルゲンの除去が行われるが、生活環境からの完全なアレルゲンの除去は難しい上、誤飲・誤食によるアレルギー事故はあとを絶たず、万人に有効な治療方法も未だ確立されていない。本研究では腸細菌を利用した、アレルギーの 軽減・予防方法の確立を目指していた。本研究により、宿主がどの様に腸細菌を利用して、 アレルギー免疫応答を抑制しているかが明らかとなった。将来的に、FP株の腸内での増殖を目的とした、アレルギー軽減効果が期待できる、機能性食品の開発につなげることができる。また、マイクロバイオーム創薬としての利用も可能であると考える。
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