研究課題/領域番号 |
20K15484
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 人間総合科学大学 |
研究代表者 |
岩崎 有希 人間総合科学大学, 人間科学部, 助教 (60762078)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | Adiponectin / AdipoRon / Palmitic acid / AdipoR1 / 破骨細胞 / パルミチン酸 / LPS / RAW246.7細胞 / 骨粗鬆症 / 歯周病 / TLR / 骨芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
骨粗鬆症患者数は増加の一途を辿っており、骨折による要介護人口の増加は大きな社会問題となっている。骨粗鬆症では破骨細胞の増加が知られているが、明確な機構は不明であり、その解明は緊急の課題である。先行研究で、骨粗鬆症の誘因となる疾病では、パルミチン酸の増加、局在性の変化を見出した。さらに骨芽細胞にパルミチン酸を添加したところ、破骨細胞への分化、RANKL発現亢進などが観察された。このことは破骨細胞分化にパルミチン酸が関与している可能性を示している。 本研究では、パルミチン酸が破骨細胞分化過程で果たす役割を詳しく解明し、栄養学的側面からも骨代謝の崩壊に対する防御・予防法を構築するする。
|
研究成果の概要 |
今回の研究では、PAがAPN受容体AdipoR1 mRNA発現を抑制すること、さらにTLR2アゴニストによってAdipoR1 mRNA発現は阻害されることを明らかにした。PA及びTLR2アゴニストによる阻害はTLR2阻害剤で解除された。このことは、PAがTLR2を介して、TLR4と異なる情報伝達機構を駆動し、APNの作用を減弱し骨粗鬆症の症状を亢進することが考えられる。これらの結果から骨粗鬆症発症の予防・防御に脂質代謝研究が重要な役割を果たす可能性が示唆される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨粗鬆症患者数は約1,300万人おり、その80%が女性である。女性は閉経期後に発症することが多く、さらにNASH、肥満などの疾病に伴って発症することも多い。発症時に脂質代謝系の変動を、引き起こすことが報告されている。高齢者では簡単に骨折を起こし、寝たきりになりQOLを低下させる。骨形成は骨芽細胞と破骨細胞のバランスが重要であるが、破骨細胞分化を促す要因は現在までに解明されていない。本研究ではPAがAPN受容体AdipoR1の発現を阻害し、APNの破骨細胞分化の抑制作用を減弱することを見出した。このことは摂取する脂質の質的検討が骨粗鬆症の治療に学術的にも社会的にも重要でああることを示した。
|