研究課題/領域番号 |
20K15485
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小宮 佑介 北里大学, 獣医学部, 准教授 (80791665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | オレイン酸 / 遅筋 / 筋線維タイプ / 成熟筋線維 / 新生筋線維 / MyHC1 / オリーブオイル / 遅筋タイプ |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋は特性の違いから遅筋タイプおよび速筋タイプに大別され,遅筋タイプの筋線維の増加は抗疲労・肥満体質作りに貢献できる。本研究では食品成分であるオレイン酸に遅筋タイプを増加させる作用があるか、およびそのメカニズムを明らかにすることを目的とする。また、筋細胞の生体内での状態は、筋芽細胞から分化融合して形成される新生筋線維と筋組織を構成する成熟筋線維である。両者は同じ筋細胞でも異なる性質を示すため、それぞれの細胞に対するオレイン酸の作用を検討する。また、オレイン酸による遅筋タイプ増加メカニズムとして核内受容体PPARdに着目しており、ノックダウン細胞やノックアウトマウスを用いて関連を探る。
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研究成果の概要 |
本研究はオレイン酸による筋細胞の筋線維タイプ制御機構を細胞ステージに着目して明らかにすることを目的とした。まず細胞試験で、オレイン酸は新生および成熟筋線維のいずれにおいても脂質代謝関連因子の発現量増加を促進するが、遅筋タイプマーカーMyHC1は新生筋線維のみで増加することを見出した。動物実験では、オレイン酸を豊富に含むオリーブオイル7%配合飼料をマウスに8週間摂取させた結果、骨格筋エネルギー基質である筋内脂肪の増加に伴うトレッドミル走行持久力の向上することを明らかにした。また、マウスに10%オレイン酸混合飼料を4週間摂取させた結果、MyHC1の発現量増加および走行持久力の向上が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の最大の特色は、運動トレーニングでしか得ることができない骨格筋特性の変化を食品成分で代替可能であることを示唆するものであり、既知の食品成分であるオレイン酸に「遅筋タイプ増加による脂肪燃焼促進」などの新規機能性を付与できると考える。本成果は筋機能への作用を売りとした運動を模倣するサプリメントとして、肥満や運動不足が問題視されている現代社会に貢献できる。また、本研究では細胞ステージにも着目しており、オレイン酸の機能が最大限発揮される骨格筋細胞の状態を解明することで、摂取する場面(運動中、筋再生中など)の提唱にもつながる。
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