研究課題/領域番号 |
20K15513
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
川崎 洋平 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 研究員 (30782601)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ダイズ / 収量 / 熟性遺伝子 / 乾物分配 / 乾物生産 / 長日処理 / 播種時期 / 収穫指数 / 着莢 / 熟性遺伝子型 / 赤色光 / 分配 |
研究開始時の研究の概要 |
ダイズの開花期や成熟期に影響を与える熟性遺伝子のうちE3遺伝子を変えた準同質遺伝子系統(NILs)は、温暖地における標播で着莢が低下する可能性が示唆されている。しかしながら播種時期によって着莢や子実への分配が異なる要因についてはまだ明らかとなっていない。本研究は圃場条件においてE3遺伝子のNILsを対象に人工的に長日処理とR/FR比変更処理を行うことで、生殖生長期の日長と光質がダイズの収量形成に及ぼす影響の解明を行う。これらにより多収を実現する播種時期や播種密度の選択等の栽培管理技術と栽培品種の遺伝子型の最適な組み合わせの提示を目指す。
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研究成果の概要 |
ダイズにおいて熟期に関係するE3遺伝子は播種時期によって収量形成過程に及ぼす影響が異なる。そこで本研究では圃場条件にてE3遺伝子のNILsを対象にLEDを用いて人工光を照射し、日長と光質がダイズの収量形成に及ぼす影響の解明を試みた。その結果、E3遺伝子が晩生型のNILでは、赤色光による長日処理に反応し、着莢が阻害されることが明らかとなった。着莢が阻害された区では収量と収穫指数が低下したが、乾物重増加速度は維持されており、同化産物は茎葉に分配されていた。茎葉が十分に繁茂しているにもかかわらず収量が低下したことから、適切な時期の莢実形成が国内の有限型ダイズ品種の多収にとって重要であると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
E3遺伝子が晩生型の系統においては、赤色光による長日処理が着莢に強く影響していた。すなわち、E3遺伝子が晩生型の系統では赤色の波長を日長の感知に利用していることが示唆された。本結果は、E3遺伝子の効果の一端を解明するものであり、ダイズの多収化に向けて、品種ごとの最適な播種時期の解明に貢献するものと考えられる。また、赤色光による着莢阻害処理を実施した区において乾物生産動態を調査したところ、乾物重増加速度の変動はみとめられず、莢実に分配される代わりに茎葉に同化産物が供給されていることが明らかとなった。これらの知見は、植物の物質生産動態の理解に役立つものと考えられる。
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