研究課題/領域番号 |
20K15526
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39030:園芸科学関連
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研究機関 | 島根県農業技術センター |
研究代表者 |
栂野 康行 島根県農業技術センター, 栽培研究部, 科長 (10512949)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 日没前昇温 / 成熟促進効果 / 純同化率(NAR) / 葉色値向上効果 / 同位体トレーサ法 / 転流糖(グルコース) / 葉柄抽出液診断法 / 同化産物の転流 / 同位体(炭素、窒素)トレーサー法 / 葉柄樹液診断法 / グルコース / 果実分配率 / 光合成速度 / 純同化率 / 加温ブドウ / 糖集積促進 / クイックドロップ(QD) / 光合成能 |
研究開始時の研究の概要 |
加温栽培‘デラウェア’ブドウを供試し、日没前にハウス内温度を一時的に高め(2時間程度)、その後慣行より低い温度で管理するBEOD加温(Before End of Day)について、その糖集積の促進効果の作用メカニズムを以下2つの可能性に着目して解明する。 ①早い時刻からのクイックドロップ(QD)により、光合成生産物の果実転流量が増えるのではないか。 ※QD:ハウス昇温後、急激に低下させることで生じる葉(比熱小、葉温低)と果実(比熱大、葉温高)の温度差により、同化産物転流促進を図る技術。 ②日没前にハウス内温度を高めることで光合成が再び活発化し、同化産物の絶対量が増加しているのではないか。
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研究成果の概要 |
ブドウ‘デラウェア’の日没前昇温(BEOD加温)では、まだ日射のある日没前の時間帯からハウス内温度を高めるため、光合成速度が再び高まり、その結果光合成同化産物が増えることが明らかになった。また、日没後昇温(EOD加温)の葉色値向上効果については、15Nトレーサー法により裏付けることができた。さらに日没前昇温(BEOD加温)では、クイックドロップ時に葉柄において転流糖の一つであるグルコース濃度が高まっていると考えられる。このことを明らかにするための基礎的データを得る目的で、高速液体クロマトグラフィ(常法)と葉柄抽出液診断法との間でグルコース濃度の関係を調査したところ、両者に高い相関を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この日没前昇温(BEOD加温)は、他品種あるいは加温栽培を行う他の樹種においても導入できると考えられ、この場合加温燃料消費量の大幅な削減に繋がると思われる。 また、光合成同化産物の転流状態を簡易に把握できる新しい手法として、小型反射式光度計を利用した葉柄抽出液診断法の活用の可能性を示すことができた。
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