研究課題/領域番号 |
20K15533
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
内堀 美和 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主任研究員 (80724856)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | P450 / TALEN / 脱皮ホルモン不活性化経路 / 脱皮ホルモン不活性化 / P450遺伝子 / チョウ目昆虫 / 昆虫成長制御剤 / 農薬スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
昆虫の脱皮、変態のタイミングは、昆虫ホルモンの生合成、不活性化に伴う血中濃度や分泌時期が決定している。特に脱皮ホルモンは、胚発生、幼虫脱皮などの重要な生理活性を担うことから、脱皮ホルモン類縁体等の昆虫成長制御剤が普及している。しかし、複数の農業害虫で本剤に対する抵抗性発達が報告されている。そこで本研究では、これまでにない新たな作用機構を持つ制御剤を開発するため、未知の脱皮ホルモンの不活性化経路に着目し、チョウ目昆虫を対象に脱皮ホルモンの不活性化制御機構の解明とその不活性化機構を撹乱する新たな昆虫成長制御剤のスクリーニング系の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
チョウ目昆虫における脱皮ホルモンの不活性化制御機構の解明とその不活性化を攪乱する新たな昆虫成長制御剤のスクリーニング系開発を目的として研究を行った。カイコのP450遺伝子の一種であるCYP18A1をゲノム編集によりノックアウトした結果、胚発生の途中で致死したことからCYP18A1がチョウ目昆虫において脱皮ホルモンの不活性化に関わっており、正常な胚発生の進行に必須であることが示唆された。カイコのCYP18A1およびCytochrome P450 Reductaseを大腸菌に形質転換して発現させ、In vitroでの20E代謝活性を調査したが、CYP18A1の20Eの代謝は認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、農業害虫の防除には、環境に安全性が高く、標的害虫が限定される昆虫成長制御剤が多用される傾向がある。しかし、チョウ目昆虫の本剤における抵抗性発達は著しく、新規作用点を標的とした薬剤開発の重要性が示唆されている。本研究では、P450の一種であるCYP18A1がチョウ目昆虫の20E不活性化経路に関わり、ノックアウトすることで成長を阻害することが明らかとなった。このことから、チョウ目昆虫のCYP18A1を新規の標的とした薬剤開発の可能性が示唆された。
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