研究課題/領域番号 |
20K15564
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40010:森林科学関連
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研究機関 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) (2021-2022) 国立研究開発法人森林研究・整備機構 (2020) |
研究代表者 |
山本 阿子 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 助教 (40842498)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 植生被覆 / 海岸林床 / 津波 / 土砂移動モデル / 水理実験 |
研究開始時の研究の概要 |
海岸防災林は、津波襲来時において水位・流速の低減や漂流物・土砂の捕捉など効果を発揮するが、洗掘などによる流木化は被害を拡大させる恐れがあり、防災・減災機能として林床の安定性が重要である。津波に対するリスク評価において、林木(樹冠や幹)による減災効果に関する数値シミュレーションを用いた研究が進む一方、林床植生、地形、生育基盤盛土など実際の海岸防災林林床の安定性を反映させた土砂移動モデルはない。本研究では、実際の海岸防災林床を用いて林床植生の被覆度と砂の粒径構成による効果を明らかにする水理実験を実施し、林木による津波減衰効果を組み込んだ土砂移動モデルの開発を行う。
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研究成果の概要 |
海岸林床の植生による土砂捕捉効果を明らかにするため,珪砂と植生模型,採取してきた実際の海岸林の砂と実林床の植生を用いた土砂移動水理実験を実施した.波は津波先端による乱れを再現した段波と津波の通過時を想定した定常流を実施した.実際の試料は秋田県岩城海岸,千葉県富津海岸,小松海岸において採取した. 植生の被覆度により,土砂移動量が指数関数的に減少した.また,複数回波を当てた場合も植生は土砂捕捉効果を発揮したが,被覆度が小さく洗堀の発達により植生が流出した場合,土砂移動量が増加したことから,植生の土砂捕捉効果は被覆度と葉部の捕捉だけでなく洗堀の発達を防ぐ根茎量や分布も影響していることが分かった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で対象とした海岸林を防災・減災機能を最大限発揮する健全な林帯を造成していくには,林床の洗堀防止に加え,土砂を捕捉する場(堆積場)となる環境づくりが望まれる.本研究において植生の土砂捕捉効果を定量化することにより,海岸林周辺の植生をどのように維持管理することが林床の土砂流出を防止し安定した基盤づくりの基礎となる研究である.今回の研究で得られた植生の土砂捕捉効果をより多様な植生および砂粒径(土質)に適用することでより詳細かつローカルな条件に対応した被害想定や防災・減災効果を発揮する海岸防災林帯の維持・管理の指針を示すことが可能となる.
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