研究課題/領域番号 |
20K15571
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40020:木質科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 |
研究代表者 |
神林 徹 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30772024)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 木材 / 塗装 / 気象劣化 / 劣化機構 / 耐候性 / 顕微ラマン分光法 / 細胞壁 / 木材保護塗料 / 木材細胞壁 |
研究開始時の研究の概要 |
木材に塗装を施すことで、太陽光や雨水などによる気象劣化を抑制できる。しかし、気象因子の完全な遮蔽は困難なため、塗膜/木材界面は徐々に劣化していく。ところが、塗膜下に生じる劣化の微視的解析は難しく、塗膜/木材界面の劣化機構は未だ解明されていない。本研究では、塗装による木材の耐候性能向上および界面劣化機構について、局所化学的・形態学的な観点から明らかにすることで、木材塗装技術の高度化を図る。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、塗装木材の気象劣化機構を細胞レベルで解明することを目的とし、顕微ラマン分光法により塗膜/木材界面領域の気象劣化挙動を解析した。その結果、含浸形塗装材および造膜形塗装材のそれぞれについて、塗膜/木材界面が気象因子の影響により劣化し崩壊に至るまでの化学的変化を可視化することができた。また、塗装性能向上に効果的な基材の表面性状を検討し、粗面化処理が性能向上に有効であるとともに、粗さの程度により発現する性能が異なることが確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
塗装木材の気象劣化は主に塗膜/木材界面で進行するとされるが、微小な塗膜/木材界面領域において局所的な劣化反応を解析することは技術的に困難であった。本研究にて新たな分析手法として顕微ラマン分光法を適用したことで塗膜/木材界面における気象劣化挙動が明らかとなり、塗装木材の気象劣化機構の全容解明の進展に資する点で学術的に意義深いと考えられる。また、塗装木材の性能向上に効果的な基材表面性状に関する知見は、塗装技術の更なる高度化に貢献し得る点で、社会的にも意義があると考えている。
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