研究課題/領域番号 |
20K15600
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | リージョナルフィッシュ株式会社(研究開発部) (2022-2023) 九州大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
大賀 浩史 リージョナルフィッシュ株式会社(研究開発部), 研究開発部, 主任研究員 (60792299)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | レプチン分泌動態 / 生殖腺刺激ホルモン分泌調節 / レプチンによる摂食調節と性機能調節 / 初回成熟 / ELISA / レプチンによる食欲調節 / 血中レプチン濃度 / 組換えレプチン / 生体投与 / GSI / 生殖腺発達 / レプチンによるGTH分泌調節 / レプチン / 完全養殖 / ホルモン投与 |
研究開始時の研究の概要 |
脂肪細胞より分泌されるレプチンは、生体のエネルギー代謝調節を行う一方、体内エネルギーの貯蔵量を生殖系に伝えることで、性成熟開始のタイミング決定に直接的な影響を与える。レプチンの投与は生殖内分泌軸(BPG-axis)の活性化を促進し、思春期発達(初回成熟)を早期に誘導することが哺乳類で知られているが、同様の制御機構が魚類にも存在するのか研究例がない。本申請課題では、マサバを有用海産魚種のモデルとして、レプチンがBPG-axisの活性化に与える影響について、組換えホルモンの大量合成法の開発、血中濃度測定系の開発、細胞組織学的な解析および生体投与試験を通して明らかにする。
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研究成果の概要 |
摂食調節ホルモンであるレプチンがマサバの性機能調節に与える影響について調べた。血中レプチン濃度を測定するELISAを開発し摂餌後の分泌動態を調べた結果、食後2時間では、摂餌群は非摂餌群と比較して有意な高値を示したことより、レプチンが本種の摂食調節に関与することが示唆された。大腸菌発現系を用いて組換えレプチンを合成し、脳下垂体の初代培養系に添加した結果、濾胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)の分泌が促された。また、細胞組織学的な解析により、脳下垂体のFSHとLHの産生細胞上にレプチン受容体が局在することが示され、それらの分泌がレプチンの直接的な制御下にあることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
栄養状態と性機能には密接な関係があり、栄養不良は性機能を強く抑制する。この作用は、肝臓から分泌される栄養情報ホルモンであるレプチンによるものが大きい。一方、魚類のレプチンについては、摂食調節における機能と性機能調節に与える影響の両面において、研究例が少なく不明な点が多い。本研究ではマサバ特異的なELISAにより、本種のレプチンが摂食調節に関与する可能性が示された。また、生殖内分泌軸の中心的なホルモンである生殖腺刺激ホルモンの分泌がレプチンの直接的な支配下にあることを魚類で初めて示した。特に魚類ではFSHの分泌調節機構は明らかになっておらず、その上流制御因子の一つを示した初めての研究例となった。
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