研究課題/領域番号 |
20K15622
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鈴木 麻里子 神戸大学, 農学研究科, 助教 (50756658)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 砕石脱水ケーキ / 砕石副産物 / 再資源化 / ため池コア材 |
研究開始時の研究の概要 |
砕石,砕砂を湿式で製造する際に,砕石脱水ケーキが副産物として排出される.現在,大部分の砕石脱水ケーキは埋め立て廃棄されているものの,廃棄コストや処分場の減少などの問題が存在し,再資源化は喫緊の課題である.一方,多くのため池が防災重点ため池に制定され,改修工事の必要性が叫ばれるが,良質なコア材の確保など困難を抱えている. 本研究は,砕石脱水ケーキの適用先の候補として,ため池コア材への利用を提案する.“再資源化を目指したい砕石脱水ケーキ”と“コア材(粘土質用土)を確保したいため池”,双方の問題を解決するために,安価で包摂的かつ持続可能なSDGsの概念を盛り込んだ再利用フロー構築を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では,砕石副産物の再資源化を目指し,砕石脱水ケーキをため池遮水材料へ適用することを検討した.砕石脱水ケーキの土質特性について体系的に取りまとめ,一般的な土質材料とは異なることを明らかにした.砕石脱水ケーキをため池遮水材として使用可能にするために,砕石粉を添加した改質脱水ケーキを作製した.改質した砕石脱水ケーキに対して,物理・力学試験及び試験盛土施工,繰返し三軸試験,動的遠心模型実験を実施した.その結果,改質脱水ケーキは,締固め度95%の場合,透水係数や強度,耐震性等,本研究で検討したすべての項目について,ため池遮水材料への適性を示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,砕石や砕砂の製造過程から発生する副産物(砕石脱水ケーキ)の遮水性能の高さに着目し,土質系遮水材としての利用可能性を検討したものである.また,適用先として提案したため池遮水材料は枯渇資源として懸念されており,砕石副産物が適用可能となれば農業工学分野における貢献度は高い.本研究では,砕石工場内から別途発生する乾燥材料を添加することにより、安価に液状化強度の増加や施工性の向上を図ることが可能であることを繰り返し三軸試験や盛土の試験施工等により明らかにし、盛土の施工管理基準を提案した.枯渇資源の代替品として使用可能になれば社会的意義は大きい.
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