研究課題/領域番号 |
20K15646
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真方 文絵 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (50635208)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | リポポリサッカライド / 炎症性子宮疾患 / 卵胞発育 / エストラジオール / 卵母細胞 / 顆粒層細胞 / 初期胞状卵胞 / 牛 / 子宮内膜炎 / ミトコンドリア / 発育途上卵母細胞 / 体外発育培養 / 核成熟能 / 発育途上卵胞 / 乳牛 / 繁殖障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,乳牛の炎症性子宮疾患において治癒後も続く長期的な受胎性低下を引き起こす細菌毒素の分子作用機序を明らかにすることで,新たな治療法の開発を目指すものである。子宮に感染した細菌が放出する毒素であるリポポリサッカライド (LPS) は卵巣内の卵胞に移行し,成熟した卵胞の機能を著しく低下させる。本研究では直径1mmに満たない発育途上の未熟な卵胞に着目し,発育初期にLPS曝露を受けた卵胞の発育動態と分子学的性状,さらに卵胞に内包される卵母細胞の発育と機能におよぼすLPSの影響を精査することで,「子宮が治癒しても受胎しない」病態の全容を解明する。
|
研究成果の概要 |
本研究は,発育初期にリポポリサッカライド (LPS) の曝露を受けた卵胞の発育動態とステロイドホルモン産生能を検証するとともに,発育途上卵胞に内包される卵母細胞の発生能におよぼすLPSの影響を明らかにすることを目的とした。ウシ初期胞状卵胞はLPSを受容する機構を持ち,体外発育培養における発育途上期のLPS曝露はエストラジオール産生を抑制した。また,LPSは卵母細胞の生存性を低下させたとともに,成熟能を不可逆的に低下させる可能性を明らかにした。さらに,子宮の炎症を示すウシ子宮内膜炎モデルを作出し,脳と卵巣のインタラクションにおけるLPSの即時的作用と長期的作用を精査することが可能となった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症性子宮疾患の罹患牛では,臨床的に子宮の炎症が治癒しても長期にわたり受胎性が低下する。本研究では,LPSが長期にわたるエストラジオール産生抑制と不可逆的な卵母細胞の成熟能低下を引き起こすことで,治癒後も継続する卵巣機能障害の一因となる可能性を示した。本研究成果は新たなアプローチによる革新的な治療法の開発のための基礎的知見となり,乳肉牛の生産性向上に寄与することが期待される。
|