研究課題/領域番号 |
20K15658
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 (2021-2023) 東京大学 (2020) |
研究代表者 |
黒木 香澄 (石田香澄) 国立感染症研究所, 薬剤耐性研究センター, 主任研究官 (80760272)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 豚レンサ球菌 / Streptococcus suis / 全ゲノム解析 / ヒアルロニダーゼ / グルコサミノグリカン分解酵素 / 比較ゲノム解析 / 病原因子 / 自然免疫回避 |
研究開始時の研究の概要 |
豚レンサ球菌はヒトやブタに髄膜炎や心内膜炎を起こす人獣共通感染症の起因菌であるが、その発症機序は不明である。また、本菌はブタの口腔に常在するが、すべてのブタが発症するわけではない。本菌が全身に移行し発症するには、宿主免疫応答を回避するなど、宿主との複雑な相互作用が関与すると考えられる。本研究では、上皮細胞や免疫細胞、補体による自然免疫からの回避に関連する本菌分子を同定することで、宿主深部組織への移行機序と発症機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
豚レンサ球菌は人獣共通感染症の起因菌であるが、その発症機序については不明な点が多い。本研究では、豚レンサ球菌の強毒株は宿主のグリコサミノグリカンを分解する酵素、その分解産物を菌体内に取り込むPhosphotransferase system、分解産物を代謝するEntner Doudoroff経路の酵素をコードする遺伝子群を保有することを明らかにした。また、豚レンサ球菌の近縁種であるStreptococcus ruminantiumや、肺炎球菌、G群溶血性レンサ球菌等も、この遺伝子群を保有していたことから、本遺伝子群は豚レンサ球菌を含むレンサ球菌の病原性に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではブタやヒトに髄膜炎や菌血症を引き起こす豚レンサ球菌の発症に関与する可能性がある遺伝子群を見出した。また、この遺伝子群は豚レンサ球菌だけでなく、ヒトに病原性を示す他のレンサ球菌でも認められ、レンサ球菌が共通して保有する病原因子である可能性が示唆された。今後、この遺伝子群について精査することで、レンサ球菌感染症の発症機序や病態の解明に繋がることが期待される。
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