研究課題/領域番号 |
20K15677
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上間 亜希子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特別研究員 (20630156)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アルボウイルス / ハムスターモデル / 蛍光ウイルス / 小動物モデル |
研究開始時の研究の概要 |
わが国を含めアジアやオセアニアなどの反芻家畜に異常産を起こし最も重要視されるアカバネウイルスと、ヨーロッパ広域に流行したシュマーレンベルグウイルスは、いずれも節足動物の媒介により妊娠家畜に感染し、流・早・死 産のほか水無脳症などの奇形子を生じさせるため、畜産業界に多大な経済的被害を与えている。しかし、それらの経胎盤感染性を解析するための成体実験小動物モデルがなく、研究の隘路となっている。そこで本研究では、蛍光ウイルスによるハムスター胎盤感染モデルを確立し、異常産に至る機序の解明およびワクチン評価系としての検証を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、家畜に異常産を起こすシュマーレンベルグウイルス(SBV)とアカバネウイルス(AKAV)のハムスター感染モデルを確立することを目的とした。 作出した蛍光SBVの性状解析より、GFP/38-SBVが感染を可視化できる最も優れた候補であった。蛍光AKAVの妊娠ハムスター感染実験を行なった。出生子の死亡率は妊娠9日目投与が80%と最も高く、胎盤と胎子で蛍光が観察できた。蛍光AKAVは異常産を再現し可視化できる有力なツールであることが示された。野生型SBVの妊娠ハムスター感染実験を行った。妊娠9日目の静脈接種で出生子の死亡率は43%となり、SBVの感染モデルとして有用であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:AKAVやSBVの異常産を誘導する妊娠小動物モデルの確立によって、これら感染症に対する抗ウイルス薬や新規ワクチンの開発に必要な研究を効果的に進めることができる。蛍光AKAV、蛍光SBVの作出は世界で初めての報告である。これらを用いることでウイルス動態を可視化できる。 社会的意義:本研究によって得られた知見は、日本におけるSBV感染制御に重要な役割を果たす。また病態に共通点のあるジカウイルス感染症など、パンデミックへの対策に役立つ。AKAVやSBV感染症を制御できる有効なワクチンや薬剤の開発は安定した食肉生産につながるため、わが国そして世界の畜産業界に貢献する。
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