研究課題/領域番号 |
20K15699
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
武藤 真長 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 特任助教 (50868867)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | カニクイザル / トロホブラスト / 妊娠高血圧症候群 / レンチウイルスベクター / トロホブラスト細胞 / 胎盤 |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠高血圧症候群は全妊婦の5-10%が発症し、胎盤を起因とする母児共に深刻な影響を与える妊娠疾患の一つであり、根本的な治療法は妊娠終了しかない。胎盤を構成する主要な細胞であるトロホブラスト細胞の不適切な分化・浸潤は、妊娠高血圧症候群の原因となる。これまでのげっ歯類を用いたトロホブラスト細胞の分化・浸潤機構の研究は行われてきたが、ヒトなどの霊長類における生体レベルでの知見は乏しい。そこで本研究では、霊長類における妊娠高血圧症候群モデル作製とその表現型解析、および霊長類の個体レベルにおけるトロホブラスト細胞機能評価を行うことを目的とする。
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研究成果の概要 |
ヒトの胎盤では妊娠維持や胎児への栄養供給に重要なトロホブラスト細胞の機能破綻により妊娠高血圧症候群などの重篤な疾病が引き起こされる。本研究ではヒトに最も近縁な動物モデルであるカニクイザルを用いて、トロホブラスト細胞の機能解析を生体レベルで行うための実験モデル構築を目指した。 カニクイザルの胎盤および胚盤胞期胚から樹立したトロホブラスト幹細胞を樹立しその性状解析を行った。センダイウイルス由来因子をレンチウイルスベクターへ導入することでウイルスの力価を高めることに成功し、カニクイザル胚盤胞のトロホブラスト細胞へ高い生存率を維持したまま遺伝子導入するための手法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において申請者はヒトに最も近縁な動物モデルであるカニクイザルのトロホブラスト幹細胞(TS細胞)を樹立した。これによりTS細胞を用いたキメラ胎盤の表現型解析が可能となった。またレンチウイルスベクターを用いたトロホブラスト特異的な遺伝子操作に成功し、霊長類トロホブラスト細胞の機能評価を個体レベルで行える可能性を示した。この研究により霊長類を用いた妊娠高血圧症候群の疾患モデルを作製することが可能となり、将来的な臨床的応用への展開が期待されるだけでなく、実験動物としてのカニクイザル受胎率・出産率の向上や、ひいては家畜の生産率の向上へと波及すると考えられる。
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