研究課題/領域番号 |
20K15701
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分42040:実験動物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
阿部 耕太 大阪大学, 微生物病研究所, 特任助教(常勤) (10867279)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 老化 / 寿命 / 代謝 / ターコイズキリフィッシュ |
研究開始時の研究の概要 |
個体老化は多数の要因が絡み合う現象であるため、分子基盤の解明は極めて困難と考えられてきた。しかし近年、線虫やショウジョウバエなどの無脊椎動物モデルを用いた解析により、「代謝」と個体老化制御の密接な関係が明らかになりつつある。しかし、ヒトの個体老化機構を理解するためには、これら無脊椎動物モデルのみでは不十分であり、ヒトへの外挿性がより高い脊椎動物モデルにおける解析が必要である。本研究は研究室で飼育可能な脊椎動物の中で最も寿命が短い超短命魚ターコイズキリフィッシュをモデルとして用い、「脊椎動物の個体老化を制御する代謝経路」の探索、同定を行い、これにより脊椎動物個体老化の未知の分子基盤解明を目指す。
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研究成果の概要 |
超短命モデル脊椎動物ターコイズキリフィッシュを用い、老化との密接な関係が報告されつつある代謝に着目し、脊椎動物における新規個体老化制御代謝経路の同定を目指し研究を行った。寿命が2倍程度も異なるターコイズキリフィッシュの同種内系統間のメタボロームおよびゲノム比較と、その結果に基づく遺伝子改変系統の作出および、薬理学実験等から、「トリプトファンの代謝経路であるキヌレニン経路の中間代謝物の一つが抗老化作用を持つ」こと、さらに、「腸で機能するセラミド代謝酵素の機能低下が全身の老化を抑制する」ことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊椎動物の個体レベルの老化制御機構の理解は未だ黎明期であり、代謝という切り口から新規個体老化制御機構を解き明かした点に意義がある。これら機構は系統間比較から見出したものであり、寿命の個体差の理解などにもつながる可能性がある。また、代謝経路や代謝物は生物種間で非常に保存性が高いため、本研究が見出した代謝物や代謝酵素の抗老化に関する機能は、脊椎動物で普遍的な老化制御メカニズムである可能性が高く、ヒトの健康寿命延伸技術の開発につながることも期待される。
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