研究課題/領域番号 |
20K15745
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43030:機能生物化学関連
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
福谷 洋介 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50747136)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 嗅覚受容体 / RTP1S / 細胞膜輸送 / BioID / 異種細胞発現 / 匂い分子 / 膜輸送 / プロキシミティラベリング / シャペロン |
研究開始時の研究の概要 |
嗅覚受容体(Olfactory receptors、ORs)は嗅覚の基盤となる膜タンパク質である。多彩なORsの機能発現に不可欠なタンパク成熟化機構は未解明である。 本研究では、ORsの細胞膜局在を促進するRTP1Sの立体構造を明らかにし、ORsとRTP1Sの相互作用部位を解明することで、RTP1Sの柔軟なORs認識機構とORs細胞膜輸送原理を解明する。また、超解像顕微鏡を用いた観察などにより、ORs-RTP1S複合体の細胞内輸送過程を動的に解析する。さらに、ORsの細胞膜輸送に関与する新規タンパク質の網羅探索を進め、ORsのタンパク質成熟化プロセスに関わる因子と関係性の全容解明を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究では、嗅覚の優れたニオイの知覚を支える嗅覚受容体の機能発現機構の解明を目指した。構造安定性が高く、異種細胞での機能発現性の高い嗅覚受容体のアミノ酸配列を指標にした部位特異的変異導入によって、野生型では異種細胞での発現性の低い嗅覚受容体の高発現化に成功した。また、近位依存性ビオチン標識法によって、嗅覚受容体を細胞膜に輸送するRTP1Sと協調する新規シャペロンタンパク質を同定に成功した。これら成果は、嗅覚受容体の細胞膜輸送経路の解明だけでなく、嗅覚受容体の工学的応用への貢献も期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
嗅覚が多様なニオイ分子を高感度に嗅ぎ分けることができるメカニズムは解明されていなく、嗅覚を模倣したニオイセンサーなども開発されていない。生物は数百種類におよぶ嗅覚受容体のニオイ分子選択性の違いを利用していると考えられるが、多くの嗅覚受容体の生産が難しく、機能解析が困難であった。本研究での成果である嗅覚受容体の高発現化と新規シャペロン分子の同定により、嗅覚受容体の安定生産に繋げることができ、多彩な匂い分子機構の解明と嗅覚受容体を利用した実用的なニオイセンサー開発への貢献が期待できる。
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