研究課題/領域番号 |
20K15759
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
植野 嘉文 神戸大学, 理学研究科, 理学研究科研究員 (70847805)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 光合成 / 非光化学消光 / エネルギー移動 / 時間分解蛍光 / 緑色微細藻 |
研究開始時の研究の概要 |
光合成生物は、急激な光環境変化に対応するために、光エネルギーを光合成に利用せず熱として散逸する制御機構(非光化学消光)を発達させた。近年、光化学系IIだけでなく光化学系Iにおいても非光化学消光が誘導されることが示された。しかし、光化学系Iにおける非光化学消光の機能や両光化学系における非光化学消光の関係性は未だ不明のままである。本研究では、蛍光分光法により非光化学消光誘導時の光化学系内のエネルギー移動過程の継時変化を定量的に検証し、両光化学系における非光化学消光による光エネルギー利用法を解明することを目的とする。得られる知見は過酷な環境に耐えうる光合成生物の創生の足がかりになることが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、過剰な光エネルギーを光合成に利用せず熱として散逸する制御機構(非光化学消光)による両光化学系における光エネルギー利用方法の解明を目指した。蛍光分光測定の組み合わせにより、主に~550 psの時定数を持つ消光により光化学系I蛍光領域の定常蛍光強度が~27%減少すること、培養光強度に依存して主要な消光の時定数が変化するものの光化学系II蛍光領域の定常蛍光強度が~43%減少すること、それらの非光化学消光が光照射後30秒以内に最大となることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光合成生物は、急激な光環境変化に対応するために非光化学消光を発達させた。近年、光化学系IIだけでなく光化学系Iにおいても非光化学消光が誘導されることが示された。しかし、光化学系Iにおける非光化学消光の機能や両光化学系における非光化学消光の関係性は不明のままであった。本研究では、光化学系Iにおける非光化学消光の寄与の大きさ、両光化学系における非光化学消光誘導の関係性を明らかにし、光合成における光エネルギー利用法をより明確にした。本研究から得られた知見は過酷な環境に耐え得る光合成生物の創生の足がかりになることが期待される。
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