研究課題/領域番号 |
20K15780
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 智恵 (菊竹) 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (30843833)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | バイオインフォマティクス / がんゲノム / 生物統計 / ゲノム解析 / 統計解析 / 全ゲノム倍加 / 非コード領域 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでがんゲノムを用いて、タンパク質のコード領域の変異情報と患者の予後との関連について研究してきた。この研究を通して、タンパク質をコードしていない領域(=非コード領域)の変異についても解析を行うことで、治療のための薬剤や薬剤ターゲットのレパートリー不足といった問題を解決するための知見が得られるのではないかと考えるに至った。そこで本研究では「非コード領域における新規ドライバー変異の同定」を目的とする。これにより、これまで見過ごされてきた非コード領域に由来する新規ターゲット候補が同定でき、創薬に展開するための基礎的な知見が得られると期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、変異の多いオープンクロマチン(OC)領域ががんに与える影響を明らかにするため、OC領域の変異とその可能な機能との関連性を検討した。その結果、一部のがん種では、制御領域を持つOC領域の割合は、変異数の多いOC領域のほうが少ない領域に比べて有意に高いことがわかった。また、変異数の多いOC領域のターゲット遺伝子は、他のOC領域のものと比べて、がんとの関連が強かった。さらに、OC領域の変異数が多いことは、一部のがん種において予後不良と有意に関連していた。これらの結果は、高変異のOC領域ががんの発症に重要な役割を果たし、患者の予後を予測するために効果的に利用できることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オープンクロマチンは遺伝子の発現調節において重要な役割を持つ。この研究では、多くの変異を持つオープンクロマチン領域ががんに対してどのような影響を及ぼすかについて解析を行った。解析の結果、変異の多いオープンクロマチン領域の標的遺伝子は、がんと強く関連していた。さらに、オープンクロマチン領域の変異数が多い患者は予後が不良であることも分かった。
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