研究課題/領域番号 |
20K15799
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田島 達也 筑波大学, 生存ダイナミクス研究センター, 助教 (80845058)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 線虫 / 精子 / アルギニンメチル化 / 塩基性タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類精子のゲノムDNAは、プロタミンというアルギニンを多く含む塩基性タンパク質によって凝集されている。一方、線虫精子もSPCHと呼ばれるアルギニンに富むタンパク質がプロタミンの機能を代替していると考えられている。最近、代表者はアルギニンメチル化酵素であるPRMT-1がSPCHをメチル化することを見出した。アルギニンメチル化はタンパク質の翻訳後修飾の一つであり、様々な細胞内イベントに関与している。しかし、PRMT1欠損マウスは胚性致死を示すため、アルギニンメチル化の生殖細胞における役割は不明な点が多い。本研究は、線虫のSPCHの精子形成や受精におけるアルギニンメチル化の制御機構を解明する。
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研究成果の概要 |
タンパク質アルギニン残基(Arg)のメチル化は、PRMTファミリー呼ばれるメチル基転移酵素により触媒され、モノメチルアルギニン化(MMA化)を経て、非対称性ジメチルアルギニン化(ADMA化)または対称性ジメチルアルギニン化(SDMA化)される。 これまでの実験から、ADMA化酵素であるPRMT-1は精子特異的かつ哺乳類プロタミン代替タンパク質されているSPCH-2およびSPCH-3の43位Argをメチル化することを明らかにした。また、遺伝学的解析より、SPCH-2は線虫の生殖機能に大きく寄与しており、精細胞形成と精子形成の偽足(哺乳類精子のべん毛に相当)の伸長に関与している可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルギニンメチル化は転写調節やシグナル伝達など様々な細胞内イベントに関与することが知られてきたが、生殖機能を制御することはほとんど報告されてこなかった。本研究より、戦中の精子特異的タンパク質SPCH-2とSPCH-3のアルギニン43位はPRMT-1によるアルギニンメチル化受けていた。また、遺伝学的解析より、spch-2変異体における精細胞形成と精子形成に異常がみられた。これらの知見は、ヒトの男性不妊の原因究明、さらには治療法の開発につながる潜在性を秘めている。
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