研究課題/領域番号 |
20K15809
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
篠塚 琢磨 基礎生物学研究所, 分子発生学研究部門, 特任助教 (70869023)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | Wnt / roof plate / 細胞骨格 / 形態形成 / Roof plate |
研究開始時の研究の概要 |
分泌性シグナルタンパク質を介したシグナル伝達により細胞は運命を規定され、それぞれの細胞は変化し、特殊化した特徴を獲得する。これまでの研究から発生過程のマウス神経管においてWntシグナル依存的にroof plate細胞が伸長することを見出した。しかし、Wntシグナルによるroof plate細胞の形態変化の制御機構については明らかになっていない。本研究では、発生過程のroof plate細胞の形態変化、細胞骨格の動態、Wntタンパク質の挙動を詳細に記述するとともに、Wntシグナル関連因子の変異体マウスの解析を行い、細胞の形態変化におけるWntシグナルによる細胞骨格の制御機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではWntシグナルによる細胞の形態形成の制御機構を明らかにすることを目的とし、マウス発生期の神経管におけるroof plate細胞の形態変化に着目して研究を行った。種々のWntシグナル関連因子の変異体マウスを用いた解析からroof plate細胞の頂端収縮はβ-catenin依存的なWntシグナルによって、ミオシンのリン酸化を介して引き起こされることを見出した。さらに、roof plate細胞頂端面へのWntタンパク質の集積が頂端収縮に関与する可能性が示唆された。このように、Wntシグナルを介したroof plate細胞の頂端収縮の制御機構を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではWntシグナルによる細胞の形態変化の制御機構の解析を行った。細胞の頂端収縮がWnt/β-cateninシグナル依存的なミオシンのリン酸化によって制御されるという新たな知見は細胞生物学分野にとって重要である。また、本研究では分泌性シグナル因子であるWntタンパク質の空間分布に注目してシグナル伝達を理解することを試みた。一般的に遺伝子発現を制御するWnt/β-cateninシグナル伝達に関与すると考えられているWnt1およびWnt3aタンパク質の局所的な集積が細胞骨格の制御を行う可能性を示唆した点で、シグナル伝達研究の観点からも重要である。
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