研究課題/領域番号 |
20K15822
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
元村 一基 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 助教 (50844049)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 生殖 / 細胞生物学 / シロイヌナズナ / 受精 / 花粉 / 細胞骨格 |
研究開始時の研究の概要 |
被子植物の精細胞は、伸長する花粉管の中を通って受精の場へと輸送される。積荷として受動的に輸送されると考えられていた精細胞だが、近年の研究から、独自の駆動力によって受精の場へ自ら移動することが間接的に示唆された。しかし精細胞の駆動力に着目した研究はほとんど例が無く、その輸送に関与する分子も一切不明である。そこで本研究では精細胞が受精の場へと移動するための駆動力をつかさどるタンパク質を発見し、その分子メカニズムを明らかにする。2世紀以上に渡りベールに包まれていた、植物受精現象の根源をなす、花粉管中の精細胞輸送機構の解明に挑戦する。
|
研究成果の概要 |
被子植物の精細胞は、伸長する花粉管の中を通って受精の場へと輸送される。本研究では精細胞が受精の場へと移動するための駆動力に着目し、細胞核全てが花粉管基部に取り残され、細胞質に核を持たない花粉管を作出・解析した。予想外なことに、この細胞質に核を持たない変異花粉管は核を持つ花粉管と同様に伸長する能力を持っていた。更に胚珠の位置を認識して方向転換して、雌組織のもとへ辿り着くこともできた。この成果を論文発表するとともに、2つの学会より栄誉ある賞を受賞することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長きに渡って研究されてきた花粉管であるが、未だその能力には謎が多い。特に本研究が着目する精細胞輸送に関しては、栄養核に牽引されるという固定概念からか、関連研究はこれまでほぼ見られなかった。このように本研究成果は花粉管の秘められた能力を世界に先駆けて明らかにするものであった。また本研究成果で明らかになった現象は、多くの植物が共通に持つメカニズムである可能性が高い。なぜなら、種子植物は花粉管を用いて雌性配偶体に精細胞を送り届けることで果実を実らせるからである。今後も精細胞が雌性配偶体まで辿り着く分子メカニズムが明らかになっていくことで、農作物への応用展開の可能性も期待される。
|