研究課題/領域番号 |
20K15837
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 岡山大学 (2023) 神奈川大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
越智 拓海 岡山大学, 理学部, 非常勤研究員 (00837180)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ガストリン放出ペプチド / 腰髄-視床路 / 男性性機能 / 視床室傍核後部 / 視床室傍核 / 腰髄視床路(LSt)ニューロン / Cre-loxP組換え / AAV / 性機能 / オキシトシン受容体 / 性行動 / 脳-脊髄神経ネットワーク |
研究開始時の研究の概要 |
雄の性行動を調節する神経ネットワークにおいて、間脳視床・視床下部領域には末梢からの体性感覚信号が入力するが、その神経ネットワークや行動制御メカニズムは不明である。脊髄に存在するガストリン放出ペプチド(GRP)ニューロン系は脊髄レベルで雄の性機能を制御するが、脳との機能連関には不明な点が多い。本研究では、雄の性行動制御メカニズムに着目し、脊髄GRPニューロンの視床・視床下部領域への投射先とその制御メカニズムを解析し、末梢からの感覚を脳へ伝えるフィードバック神経ネットワークとその性行動調節メカニズムを明らかにする。本研究により、心因性の勃起障害や性依存症などの心因性の性機能障害の病態解明を目指す。
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研究成果の概要 |
研究代表者はこれまでに、脊髄レベルで雄の性機能を調節する脊髄ガストリン放出ペプチド(GRP)ニューロン系を視床下部室傍核に存在するオキシトシンニューロンが活性化することで性行動が促進されることを見出している。一方で、脊髄から脳へと性行動の完了を伝えるフィードバックメカニズムについてはわかっていなかった。本研究課題では、脊髄GRPニューロンの脳への投射と投射部位におけるGRP受容体発現ニューロンの局在から脊髄→脳神経ネットワークの探索を行っている。その結果、脊髄GRPニューロンが視床室傍核に存在するGRP受容体ニューロンへと投射し、射精情報を脳へと伝える新規の神経ネットワークを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物の行動は、行動欲求(モチベーション)が高まり、それに伴って脊髄や運動器が制御される。しかし、動物が行動を起こした後、その終了はどのように定義されるのか?モチベーションを鎮めるシグナルはどんなものか?はよくわかっていなかった。そのため、雄の性行動を調節する脳-脊髄神経ネットワークの全容を解明することで、行動の起こりから終了までを一貫して理解し、モチベーションに関わる中枢と運動機能に関わる末梢とをつなぐ脊髄神経ネットワークを明らかにできると考えている。このような研究は将来、家畜や絶滅危惧種の繁殖、あるいは心因性の性機能障害の病態解明・治療法開発につながると考えている。
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