研究課題/領域番号 |
20K15839
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
河野 大輝 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60846773)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | セイヨウミツバチ / 社会性行動 / ゲノム編集 / キノコ体 / ケニヨン細胞 / ノックイン |
研究開始時の研究の概要 |
ミツバチの社会性行動を制御する神経基盤として、脳高次中枢キノコ体に着目した研究が多く行われてきた。ミツバチのキノコ体を構成するケニヨン細胞にはサブタイプが存在し、異なる行動の制御に関わることが示唆されている。本研究では、ミツバチにおいてゲノム編集によるノックイン法を実現することで、各サブタイプ選択的な遺伝子発現操作を行い、各サブタイプの投射パターン、網羅的な遺伝子発現プロファイル、そして行動制御における機能を同定する。ケニヨン細胞サブタイプはハチ目昆虫の行動の複雑化に伴って増加したことが示唆されており、本研究により行動進化に寄与する神経機構の理解に繋がることが期待される。
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研究成果の概要 |
ミツバチの社会性行動制御と関連する脳領域として、昆虫脳の高次中枢であるキノコ体に着目した研究が行われてきた。ミツバチのキノコ体は、異なる遺伝子が発現する複数のケニヨン細胞サブタイプから構成されることが分かっているが、各サブタイプの行動制御における機能は不明である。本研究では、細胞種特異的な遺伝子操作を実現するために、ゲノム編集法を用いたノックイン法の確立を試みた。また、サブタイプ選択的に発現する遺伝子のノックアウト個体の解析、および各サブタイプの投射パターンや網羅的遺伝子発現プロファイルを同定し、各サブタイプの機能・生理特性の一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミツバチは社会性行動研究のモデル生物として研究されてきたが、その行動特性から遺伝子操作を行うことが長年難しく、いまだ細胞種特異的な遺伝子発現制御がなされた例は無い。本研究は予備的ながら初めてノックイン法の有効性を示した。加えて、継代によるノックアウト働き蜂の作出に初めて成功しており、ミツバチの行動遺伝学に大きく貢献する成果と考える。また、行動進化と関連することが示唆されているキノコ体の生理特性の一端を解明したことで、今後社会性段階の異なるハチ目昆虫との比較解析により、社会性と関連する脳基盤の発見に繋がる可能性がある。
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