研究課題/領域番号 |
20K15849
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
守野 孔明 筑波大学, 生命環境系, 助教 (20763733)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | らせん卵割型発生 / 初期発生 / 進化発生学 / 転写因子 / 軟体動物 / 発生拘束 / 遺伝子制御ネットワーク / 環形動物 |
研究開始時の研究の概要 |
ボディプランの根本に関わる初期発生の研究について、脊椎・節足動物では豊富な一方、動物門の大半を占めるらせん卵割動物の知見は乏しい。らせん卵割動物の初期発生の特徴として、割球の予定運命の強固な保存が知られる。本研究では (1) 割球運命が保存される仕組み (2) 割球運命特異化システム成立の進化的経緯の解明を目的とし、割球運命の保存をもたらす遺伝子制御ネットワーク (GRN) を、らせん卵割動物の3門 (軟体・環形・扁形)の転写因子発現プロファイルの比較と機能解析により同定する。このGRNを他の動物群と比較することにより、らせん卵割動物を規定する発生様式がどのように成立したかを解明する。
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研究成果の概要 |
らせん卵割型発生における割球運命の保存をもたらす分子機構の解明を目指し、軟体、環形、扁形動物のトランスクリプトーム解析と、初期発生で発現する転写因子の機能解析を行なった。軟体・環形動物間では、卵割期にzygoticに発現する転写因子のレパートリーと発現パターンの保存性は高くなかった。また、扁形動物の卵割期に特定の割球に偏って発現する転写因子の中に、他動物門と共通するものは見出せなかった。更に、軟体動物で割球運命特異化に寄与する転写因子を新規に同定したが、それらの存在/発現も3動物門間で必ずしも共通していなかった。以上のことは割球運命特異化機構がらせん卵割動物内でも多様化していることを暗示する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物の高次分類は中学校/高校の生物の教科者でも取り扱われる社会的関心の高いトピックであるが、動物の高次分類群を規定する形質がどのように成立し、なぜ進化の過程で変化しにくいのかということは、当該分野の領域内においても議論が続いている。本研究課題では、らせん卵割動物を規定する保存性の高い初期発生を制御する分子メカニズムの解析を行い、それらの発生システムのらせん卵割動物内での意外な多様性を明らかにした。これらの知見は、動物の高次分類群を規定する形質の進化機構についての理解を前進させるものである。
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