研究課題/領域番号 |
20K15860
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
後藤 龍太郎 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 助教 (50725265)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 性的二形 / 矮雄 / 進化 / 共生 / 繁殖集団サイズ / 分子系統解析 / 二枚貝 / 性的二型 / 軟体動物門 |
研究開始時の研究の概要 |
極端な性的サイズ二型の例としてよく知られているのが、異性(同種の雌や雌雄同体)に付着して暮らす体サイズの非常に小さな雄、すなわち「矮雄」である。矮雄は、節足動物、魚類、軟体動物、環形動物など様々な分類群で見られるが、その起源や進化条件についての理解は依然として遅れている。本研究では、浅海で多様化を遂げた二枚貝類(ウロコガイ科)を対象として、(1)矮雄を持つ系統と持たない系統の詳細な把握、(2)各種の繁殖集団サイズの推定、(3)網羅的な分子系統解析に基づく矮雄の進化パターンの推定、を実施する。それによって、繁殖集団サイズの縮小と矮雄進化の関連性について検証する。
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研究成果の概要 |
異性(雌や雌雄同体)に付着して暮らす体サイズの非常に小さな雄、すなわち矮雄は、海洋生物の様々な分類群で見られるが、その進化条件の理解は遅れている。本研究では、海産の小型二枚貝類であるウロコガイ科を主な対象として、繁殖集団サイズの縮小と矮雄進化の関連性について検証した。野外調査や標本調査により繁殖集団サイズのデータを得るとともに、網羅的な分子系統樹を構築した。その結果、本科では矮雄が少なくとも7回以上独立に進化していることが示唆され、矮雄を持つ系統は繁殖集団サイズが小さい傾向が見られた。本研究の知見は、矮雄を持つ他の海洋生物の系との比較を通じて、矮雄進化の総合理解に大きく貢献するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海洋では異性(雌や雌雄同体)に付着して暮らす小さな雄(矮雄)が様々な分類群で見られる。しかし、その進化条件の理解は依然として遅れてきた。本研究では、海産の小型二枚貝類であるウロコガイ科を主な対象として研究を行い、本科で7回以上独立に矮雄が起源し、繁殖集団サイズの縮小が矮雄進化を促すことを示唆した。性的二形性の進化は、進化生態学の大きな課題だが、本研究の知見はその理解に大きく寄与するものである。
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