研究課題/領域番号 |
20K15881
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人森林研究・整備機構 (2022-2023) 関西学院大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
矢口 甫 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 森林総研特別研究員 (10803380)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | シロアリ / 表現型可塑性 / 労働分業 / 防衛行動 / 脳内遺伝子 / RNA-seq / 防衛上の分業 / 不妊カースト / 遺伝子発現 / 脳 / 真社会性 / 行動可塑性 / 脳内遺伝子発現 / 社会性昆虫 / 炭化水素 / 個体間相互作用 / 化学コミュニケーション / 個体認識 |
研究開始時の研究の概要 |
表現型可塑性は,変動する環境に対する迅速な生存戦略である.多数の個体から集団を形成する真社会性昆虫では,個体レベルの表現型可塑性が安定した社会の維持に貢献する.そのような分類群において,個々の行動パターンは同種他個体の存在によって調整されている.一方,社会が行動パターンの可塑的な変化に与える影響は不明である.そこで,ネバダオオシロアリを用いて,化学生態学と分子生物学のアプローチから他個体の認識にかかわる因子の受容機構から行動変化を促す脳内遺伝子の発現制御機構に至るまでの一連の分子機構を明らかにする.得られた成果から,社会が個体レベルの表現型可塑性に与える影響の全貌を理解する.
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研究成果の概要 |
表現型可塑性は,多くの生物に備わっている普遍的な性質であり,変動する環境に対する迅速な生存戦略である.そのため,単独性の昆虫類をはじめ様々な生物を対象に,個体レベルの表現型可塑性に関する研究が盛んに実施されてきた.本研究は,シロアリを対象に個体レベルの行動可塑性に与える他個体の影響を明らかにすることを目指した.本課題を実施したことで,シロアリにおける他個体に応じた可塑的な防衛行動を定量化し,脳で生じる遺伝子発現の変化を捉えることに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
社会生物学の分野において,アリやミツバチにおける行動レベルの観察が精力的に行われてきた.一方で,アリやミツバチに比べると,シロアリにおける研究はやや立ち遅れていた.本成果は,ネバダオオシロアリを対象に,個体レベルの表現型可塑性に与える社会(他個体の存在)の役割について,分子生物学の観点から強化できた.特に,脳を対象とした遺伝子発現はシロアリでは初めてであり,他の昆虫種と比較する上での基礎的なデータを提供できた.
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