研究課題/領域番号 |
20K15906
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
松田 光司 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 特任研究員 (40845228)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ゼブラフィッシュ / 前視蓋神経回路 / 刺激特異的細胞標識 / 1細胞RNA-seq / 形態・機能解析 |
研究開始時の研究の概要 |
受容した視覚情報を元に、状況に応じた適切な行動が生み出されるメカニズムを理解することは、神経科学において重要な課題である。ゼブラフィッシュを用いた研究により、視覚情報の統合には前視蓋と呼ばれる脳領域が重要であると考えられているが、詳細な機能解明には至っていない。本研究では、視覚刺激に反応する前視蓋ニューロンを特異的に標識し、シングルセル遺伝子発現解析を行う。遺伝子発現プロファイルから前視蓋ニューロンを分類し、その細胞形態の解析及び行動との機能的因果関係の検証を行うことで、視覚刺激を受け取った前視蓋がどのようにして適切な行動を生み出しているのか、その神経メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
我々動物は、自己運動により生み出される視野全体の像の動きであるオプティックフローにより、姿勢や進行方向を調節している。オプティックフローの処理には、前視蓋という脳領域が関与しており、様々な反応パターンを示す多様なニューロンが混在していることが明らかとなっている。しかし、個々の前視蓋ニューロンを区別して標識する技術が存在しないため、前視蓋ネットワークの機能解明には至っていない。本研究では、CaMPARI2を利用した細胞標識技術と1細胞RNA-seqを組み合わせた独自技術を開発することで、オプティックフロー特異的に反応する前視蓋ニューロンで発現する遺伝子の特定に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外界から受容した感覚情報を元に、状況に応じた適切な行動が生み出されるメカニズムを理解することは、神経科学において重要な課題である。本研究は、オプティックフロー視覚情報処理を担う神経細胞群を遺伝学的に標識することによって、その神経回路メカニズムの解明に貢献した。さらに、本研究によって開発した技術は、視覚以外の様々な異なる感覚系の研究にも広く応用可能であると期待される。従って、視覚以外の感覚情報処理、さらには異なる感覚間の情報統合に関する脳内メカニズムの解明にも貢献する可能性がある。
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