研究課題/領域番号 |
20K15908
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
白井 福寿 国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, リサーチアソシエイト (20849038)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | シナプス / 2光子イメージング / 樹状突起スパイン / 2光子励起 / 神経発火 / シナプス形態解析 / イメージング / ケージドグルタミン酸アンケージング / 電気生理的解析 / 非線形性 / 統合失調症 / 巨大スパイン / シナプス入力の非線形的効果 |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症の病態生理にシナプス機能の障害が関与すると考えられているが、如何に樹状突起での演算処理や神経発火に対して影響を及ぼすのかは全くの未解明である。 申請者は複数の統合失調症モデルマウスの前頭前野領域の比較検討を行い、これらの疾患モデルでは共通して巨大なスパインが出現し、作業記憶機能が障害される事を見出した。現時点でシナプス異常と行動との間の因果関係を示すことは困難であるため、まずは神経細胞レベルに対象を絞り、グルタミン酸アンケージングによるスパイン刺激とCa2+イメージング、電気生理学的手法を組み合わせ、スパインサイズが樹状突起演算機能および神経発火との関係性を形態学・機能学的に検証する。
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研究成果の概要 |
神経細胞は樹状突起スパインを介して多数の神経細胞から入力を受け、樹状突起演算の後に神経発火を生じる。しかし、スパインのサイズがそれらに対して及ぼす影響については不明だった。そこで、単一スパイン刺激とイメージング、電気生理学的手法を組み合わせ、スパインサイズと樹状突起演算機能および神経発火との関係性について検証した。そして同数のスパインを刺激したとしても、スパインサイズにより樹状突起演算および神経発火に与える影響が異なることを見出した。また、巨大なスパインはより少数のスパインで発火を誘導できたことから、錐体細胞がもつ同時入力を検出する機能が影響されうる事が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々が知る限り、スパインサイズが樹状突起の演算機能に大きな効果を与えることを世界で初めて示そうとする研究である。従来の報告によれば、8個のスパインへの同時入力で神経発火が生じるとあるが、今回の結果から、巨大なスパインを刺激した場合、より少数のスパイン入力から神経発火を誘導する事を示唆する。我々の別の研究から精神疾患モデルマウスにおいて巨大なスパインが増加する知見が得られつつあり、病態解明の基本的な知見となる可能性がある。
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