研究課題/領域番号 |
20K15948
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中島 誠也 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (70802677)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 光反応 / 可視光 / 遷移金属 / TD-DFT / 計算化学 / 配位子 / 遷移金属反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「可視光活性型リガンドの創成及び特性を利用した新規反応開発」を目的としている。これまでPdやNi等の遷移金属を可視光照射により励起させる研究はほぼ展開されてこなかった。そこで、遷移金属触媒のリガンドを可視光吸収可能にすることで、光エネルギーを遷移金属触媒反応に用いることができると考え、以下の研究計画を遂行する。 ①可視光吸収リガンドのデザイン,合成及び属錯体の生成 ②可視光吸収リガンドを用いた可視光をエネルギー源とする新規反応の開発 本研究により遷移金属の新たな領域開拓が可能であり、計算化学、実験化学を組み合わせることにより課題解決にアプローチする。
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研究成果の概要 |
TD-DFT計算によって可視光を吸収可能かつ配位した遷移金属の酸化還元を引き起こす配位子をデザインした。実際にデザインした配位子の合成を行った。合計7種の配位子の合成に成功し、それら全ては配位子単体で可視光を吸収可能であることが紫外可視吸光度測定によって明らかとなった。また、いくつかの配位子において、遷移金属錯体として安定な状態で単離することに成功し、NMR測定やX線結晶構造解析によって、その構造を証明することに成功した。 合成した可視光吸収型配位子及びその遷移金属錯体を用いてさまざまな光反応を試みた結果、既存の一般的な配位子では進行しない特異な反応を見出すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、可視光をエネルギー源とした特異な化学反応が新たに可能となった。光は宇宙空間より無尽蔵に降り注ぐエネルギーであるため、有限な地球上の資源を用いる必要がないグリーンなエネルギー源である。昨今SDGs(持続可能な開発目標: Sustainable Development Goals)の重要性が叫ばれているが、本研究は遷移金属を用いた化学反応に関するSDGs達成のための一助となる。さらに、化学変換そのものも既存の方法では非効率あるいは困難なものを効率的に実現しているため、エネルギーに関する側面だけでなく基礎研究としても発展的な研究成果である。
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