研究課題/領域番号 |
20K15953
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
三代 憲司 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (60776079)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 光反応 / 光触媒 / 生理活性 / シクロプロペノン / 光化学 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品化学における有機化学分野の役割として生理活性物質の合成法開発、創薬標的同定のための生化学ツール開発があげられる。光を用いる化学反応は反応の精密制御が可能であることから化学物質の合成のみならず生化学研究にも汎用される。本研究では申請者が独自に開発してきたカルボキシ基を標的とする光化学反応の更なる発展、及び生体分子化学修飾への応用を試みる。カルボキシ基は生体分子や高分子等様々な天然及び人工の化学物質に見られる構造であるため、本研究の実現により、低分子、高分子材料、生体分子等様々な標的の自在な化学修飾が可能になり、有用物質の創成、医薬品化学の発展に繋がると期待できる。
|
研究成果の概要 |
光反応は反応が起こるタイミング、空間を制御できることから、特定の条件下での生命現象の解明、高分子の精密合成に特に有用である。本研究では、独自に開発した、光触媒によりシクロプロペノンから高反応性化学種を発生させる反応の、より温和な条件での実現に成功し、国際誌(The Journal of Organic Chemistry)で発表を行った。また、光反応基として開発したアミノシクロプロペノンに関して、これまでその生理活性に関する報告は皆無だったが、細胞を用いた生理活性試験により、特定の構造をもつアミノシクロプロペノンが、がん細胞に対して毒性を示すことを見出し、国際誌(Cells)での発表を行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
光触媒反応に関して、検討により通常光触媒を用いるのが困難な酸素雰囲気下でも効率よく反応を行うことに成功し、その効率化に関わるメカニズム解析を行った。本研究の成果にもとづいて、他の光触媒反応も効率を向上させ、酸素共存下で行うことができるようになれば、これまで酸素に弱く、実用化が難しかった反応を特別な装置がなくても利用可能となるため、生化学分野、高分子化学分野の発展に寄与すると期待できる。 また、アミノシクロプロペノンの生理活性に関しては本研究による成果が世界初のものである。今後本成果にもとづき更に研究を進めることで、従来の医薬品では対応できなかった標的に作用する医薬品開発につながると期待できる。
|