研究課題/領域番号 |
20K15964
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
谷岡 卓 愛知学院大学, 薬学部, 助教 (40846359)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 安定ラジカル / 光レドックス触媒反応 / 近赤外光 / キサンテン色素 / 分光分析 / 光アリール化反応 / 架橋キサンテン色素 / 有機触媒 / 架橋キサンテン系色素 / 混合原子価状態 / 光レドックス触媒 / 混合原子価 / キサンテン系色素 / エオシンY / 有機ラジカル分子 / 光レドックス反応 / 可視光触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,有機分子のラジカル状態を安定化させる「混合原子価状態」に着目し,「架橋キサンテン系色素」を基盤とした新規長寿命ラジカルを設計・創製する基礎研究を行う。さらに,架橋キサンテン系色素の誘導体を合成し,フロンティア軌道のエネルギーを調整することで,光レドックス反応における可視光触媒として機能化・応用することを目的とする。実験化学と計算化学を組み合わせた本研究の遂行は,立体的な保護を必要としない長寿命ラジカルの論理的な設計指針の構築につながるとともに,ラジカル化学分野,光化学分野,および有機合成化学分野に資する優れた機能性分子を提供する基盤研究となる。
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研究成果の概要 |
本研究ではまず、安定ラジカルの創出とその起源の解明を目的として研究を行い、架橋キサンテン系色素であるBTAQラジカルカチオンを発見した。さらに本研究を通じて、架橋キサンテン色素が近赤外光物性と固体導電性を示すことを明らかにした。続いて、架橋キサンテン系色素の近赤外光物性を利用した光レドックス触媒を開発した。さらに、濃厚懸濁溶液中や可視域に吸収を有する蛍光色素に対して光レドックス触媒反応を行うことで、光レドックス触媒反応に近赤外光を使用する利点を実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
嵩高い置換基をもたない安定な有機ラジカル分子を創出し、その安定化メカニズムを解明した本研究は、ラジカル分子のより深い理解を可能にする点で学術的意義を有し、またラジカル分子を利用した様々なアプリケーションの発展が期待できる点で社会的意義を有する。また、本研究で開発した近赤外光レドックス触媒は、生体透過性が高く、かつ、組織侵襲性が低い近赤外光を利用して有機化学反応を進めることが可能な触媒である。すなわち、生体内での光レドックス触媒反応も原理的に可能であると考えられ、今後、病気の新たな光治療法の創出などにつながる可能性を有している点で社会的意義がある。
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