研究課題/領域番号 |
20K15981
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47020:薬系分析および物理化学関連
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
谷中 冴子 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 助教 (80722777)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 免疫グロブリンG / Fc領域 / 糖鎖 / MDシミュレーション / 核磁気共鳴法 / アロステリックネットワーク / 抗体 / グライコフォーム / NMR / 量子ビーム溶液散乱 / アロステリック |
研究開始時の研究の概要 |
抗体に結合した糖鎖はエフェクター機能と密接に結びついており、その構造多様性は優に100通りを越える。抗体の糖鎖はタンパク質部分と渾然一体となった分子内ネットワークを形成しており、糖鎖構造の僅かな変化がそのダイナミクスに影響を与えることで予期せぬ部位に構造変化を引き起こし、エフェクター機能を変調するものと考えられる。しかしながら、3次元構造ダイナミクスの観点から抗体のグライコフォームと機能の関連を体系的に精査した研究はない。本研究では、抗体分子内に張り巡らされた糖鎖とタンパク質が織りなすアロステリックネットワークを実験と理論の両面から探査し、その動態と機能の関連を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
抗体は抗原認識を契機としてエフェクター機能を発動し、免疫システムにおいて異物の排除を司る糖タンパク質である。抗体に結合した糖鎖はエフェクター機能と密接に結びついており、その構造多様性は優に100通りを越える。抗体の糖鎖はタンパク質部分と渾然一体となった分子内ネットワークを形成しており、糖鎖構造の僅かな変化が分子内ネットワークに影響を与えることで予期せぬ遠位の部位に構造変化を引き起こし、エフェクター機能を変調するものと考えられる。本研究では、実験と理論の統合により、体分子内に張り巡らされた糖鎖とタンパク質が織りなす“アロステリックネットワーク”を探査し、その動態と機能の関連を浮き彫りにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖鎖を含めた抗体の構造解析はいくつかの取り組みが報告されているが、それらは断片的な現象論的記述にとどまっており、分子の動的3次元構造の観点に立って、糖鎖構造のバリエーションと機能を結びつける系統的な研究は国内外を通じて行われていない。 本研究により、これまで各論的な経験に基づいて行われているバイオ医薬の糖鎖バリエーションの品質管理に科学的根拠がもたらされるとともに、次世代抗体医薬の創成に向けての体系的な設計指針を与えることが可能となるものと期待される。
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