研究課題/領域番号 |
20K15986
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
安保 博仁 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (80868050)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 硫酸化糖鎖 / 腸内細菌叢 / 炎症性腸疾患 / 糖鎖 / 硫酸化修飾 / 腸内細菌 / 腸管免疫 / 免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease)は 腸管において過剰な炎症が持続する難治性疾患であり、腸管上皮細胞のバリア機能の低下が一つの原因と言われている。特にMuc2ムチンは腸管上皮細胞から分泌され、その糖鎖修飾は腸管上皮のバリア機能において重要な役割を担う。またMuc2の糖鎖は硫酸化修飾を受けることが知られているが、その硫酸化の生理的意義については不明な点が多い。 本研究では、Muc2糖鎖の硫酸化を触媒する硫酸基転移酵素GlcNAc6ST-2のノックアウトマウスに腸炎モデルを適用し、腸炎の病態形成におけるMuc2糖鎖の硫酸化の生理的意義を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、Muc2糖鎖硫酸化修飾の腸炎における役割を明らかにするために、GlcNAc6ST-2ノックアウトマウスに腸炎モデルを適用した。Muc2ムチン糖鎖の硫酸化修飾はムチン層の機能維持に必須であり、バリア機能を強化することで腸炎を抑制していることが明らかとなった。さらに、GlcNAc6ST-2欠損マウスでは大きく腸内細菌叢が変化することから、ムチン糖鎖の硫酸化は腸内細菌叢維持に必須の翻訳後修飾であることも初めて示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまでのMuc2ノックアウトマウスやMuc2糖鎖のノックアウトマウスを用いた研究とは異なり、Muc2糖鎖の硫酸化に着目し、糖鎖全体ではなく特徴的な糖鎖構造、すなわち硫酸化修飾が腸炎病態を制御するという新しい知見を提供した点に学術的意義がある。本研究の成果により、「腸管上皮細胞のバリア機能」および「腸内細菌叢の制御」において硫酸化糖鎖が担う基礎的な知見が得られたことから、将来的には本研究の知見に基づく糖鎖を用いた炎症性腸疾患の治療法への発展が期待される。
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