研究課題/領域番号 |
20K15992
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長田 夕佳 金沢大学, 薬学系, 助教 (80802016)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | マスト細胞 / 単球 / マクロファージ / 外来抗原情報 / アレルギー / M1/M2マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
アレルギー反応に重要な役割を担うマスト細胞は、様々な抗原情報を受容し、それらの抗原情報特異的に分泌反応や他の免疫細胞との相互作用を行うことで複雑なアレルギー応答を制御している。また、単球は炎症環境に応じた柔軟な機能変化を特徴とし、相反する性質を有する炎症性(M1)や抗炎症性(M2)マクロファージに分化することによって炎症反応を調節している。本研究では、様々な抗原情報に応じたマスト細胞と単球の相互作用による単球からM1/M2マクロファージへの分化メカニズムと、これらの相互作用に起因する多様なアレルギー炎症反応の実体を明らかにする。
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研究成果の概要 |
マスト細胞は、アレルゲン(抗原)に応じて多様な初動応答を担う。多くの細胞と協調して炎症反応調節に寄与するが、単球・マクロファージとの関わりについてはまだ不明な点が多い。本研究により、マスト細胞が抗原情報(親和性)に応じて異なる応答を示すことで、単球からマクロファージへの細胞分化を調節することが明らかとなった。低親和性抗原に応答したマスト細胞は、遅発性にケモカイン分泌を亢進させ、炎症性単球の遊走を促進した。さらに炎症性サイトカイン産生の多いマクロファージへと細胞分化を誘導した。これらの知見は、マスト細胞による単球・マクロファージを介した遅発性炎症反応の調節を示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アレルギー疾患の有病率は依然として高く、多様化するアレルゲン(抗原)によって病態の複雑化が懸念されている。本研究により、低親和性抗原刺激を受けたマスト細胞が遅発性にケモカイン分泌を亢進させ、炎症性単球の遊走を促進し、炎症性サイトカイン産生の多いマクロファージへの分化を誘導することが分かった。マスト細胞は即時型炎症を惹起するのみならず、単球・マクロファージを介して遅発型炎症にも関与すると考えられる。この知見を発展させることで、慢性で難治性のアレルギー炎症応答のメカニズムを解明することが期待される。
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