研究課題/領域番号 |
20K16017
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分47040:薬理学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
山口 太郎 摂南大学, 薬学部, 講師 (30710701)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 内耳 / 質量分析イメージング / メトホルミン / 蝸牛 / 薬物動態 |
研究開始時の研究の概要 |
難聴に適応のある治療薬は現状一つとして存在しない。その大きな理由として、全身投与後の薬物の内耳動態の理解が乏しいことが挙げられる。そのため、難聴治療標的細胞への薬物輸送機構の解明が難聴に対する医薬品創出の鍵を握っている。そこで、異なる生理的条件下のマウスを用いて、薬物の内耳移行を制限する血液内耳関門でのOCT-2基質薬物の輸送制御の変化について解析するとともに、全身投与したOCT-2基質薬物の内耳内における薬物分布を質量分析イメージング技術により可視化することで、限られた薬物ではあるが、全身投与した薬物が内耳内のどの細胞にどの程度、どういった時間経緯で分布するかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
全身投与したOCT-2基質薬物の内耳内における薬物分布を質量分析イメージング(Mass Spectrometry Imaging; MSI)技術により可視化することを目的として本研究を遂行した。蝸牛は骨組織に囲まれた器官であるため、そのままの条件ではMSIを適用できなかった。しかし、テープ材を用いた切片作成方法を用いることで、メトホルミン投与後、マウス蝸牛組織切片中の各部位におけるメトホルミン由来のシグナルを検出することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全身投与された薬物は、内耳蝸牛内の難聴治療標的細胞への分布過程を経て応答性を得ることができる。しかしながら、この標的細胞への分布に及ぼす薬物輸送体の寄与については未解明なままである。本研究の遂行により、全身投与後のメトホルミンの時間経過に伴う内耳内分布をMSIを用いて可視化することができた。メトホルミン以外にも質量分析が可能な薬物であれば、本法を適用可能であり、有効な治療候補薬の薬物動態の詳細を可視化・定量化することを可能とし、それら薬物の適切な投与設計への貢献が期待される。
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